REBORN BL BOOK

□W-White
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綺麗だなって思ったんだ。きらきらと輝く銀色の髪。何でも見透かしてしまいそうな緑の目。遠くを見ているような表情は絵画のよう。タバコの煙を吹かす姿からは目が離せない。

ああ、オレは獄寺君が好きだ。


「オレ、獄寺君が好き」


気付けば口に出していた言葉に、驚いたような顔を向けてくる獄寺君。嫌な沈黙。何か言わなければと、あれこれ考えれば、獄寺君の表情が変わった。


「気持ち悪い」


そう吐き出した獄寺君は、オレを置いて行ってしまった。初めて向けられた表情に、頭の中が真っ白になって、その場に突っ立ったまま呆然となった。

どうやって家に帰ったのか記憶にない。気付いたら顔がびしょびしょに濡れて、ベッドの中だった。


いつもより早く目覚めて鏡を見れば、顔は少しの赤みを残していた。それでも目立つ程のものではなく、安心する。


「おはようございます、10代目」


昨日からあまり動いてくれない頭のまま外に出れば、耳を疑う言葉が聞こえた。夢を、見ているのかと思った。獄寺君がいつもの調子でオレに挨拶なんてするから、出し尽くしたと思った涙が、また流れ出てしまいそうになるのを、必死の思いで我慢した。


「おはよう、獄寺君」


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