Poetry book 2006

□散る様は美しく……
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互いに異なった旋律を同時に放つ

それぞれの美がそれぞれの音を立てて

ゆっくりと確実に上へと向かって

一瞬だけ花開かせて散る様は

誰かの人生の様に似ている

大勢の者と一緒に上を目指して

最高の栄光を手にした瞬間

その瞬間は共にいながら

最後は離れていってしまう

花火は見放された人々の

嘆かわしい愚かな姿のようだ

それを美しく感じる人類は

他人の不幸を喜ぶイキモノだから

いつか私も花火のように

幸せをつかんだ途端

散ってしまうのでしょうか





2008/11/17 萱乃弥波



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