Poetry book 2008

□シンオン
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あの日あの時あの場所で
私の時間は止まった

私が想う過ちは
皆が思う過ちでなく
私が拒んだ行動は
皆の目に逃げだと映る
共鳴が欲しいのではない
理解を求めていただけなのに
私にしか分からぬ曖昧
皆にしか通じぬ普通
私が逃げたのは皆からじゃない
自分自身の未来から

心のない言葉には
心のない涙をあげる
偽りの優しさには
偽りの笑顔をあげる
忘れられる記憶ならば
私だって忘れよう
顔も名前も言の葉も
ぜんぶ忘れてしまえたなら
私の時は動くだろうか

あの日あの時あの場所で
私の時間は止まったまま
針の進む音だけが
私の心に響いている





2008/11/17 萱乃弥波



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