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□反則にも程がある(セトマリ)
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それは、今日のバイトが終わってすぐ、今俺が働いている施設の店長に言われたこと。


「えっ・・・明日休みなんすか?」

「そうだ。だから、明日は来なくて大丈夫だ。だが・・・」

その見た目40後半辺りのいい体格をした店長は剃ったばかりなのか、まだあまり生えていない髭を擦りながらそう言った。

休みともなれば有難い。でも俺の脳はそのことより、店長が最後にボソッ、と吐いた「だが・・・」の言葉の方が気になっていた。

「だが・・・何すか?」

「ああ、明日はテレビのロケが来る為休みなんだが、そのテレビ局が来るのが夜だと言うんだよ。折角丸一日休みにしたのに夜まで誰も来ないと言うのもあれなのでな・・・どうだ、瀬戸君の友達でも誘ってきてみれば。」

「えっ・・・い、いいんすか!?」

「構わないさ、いつも瀬戸君は頑張ってくれているしな。皆無料で入れてやるよ。いっぱい来てくれた方が魚も喜ぶと思うのでな。」


何て気前の良い人なんだろう。普通なら経営に関わると言うのに、随分と太っ腹だ。

・・・ああ、そうだ。まだ言っていなかったね。

今俺はドクターフィッシュ風呂の施設のバイトをしていて、テレビ局が来ることも珍しくはない。

そう。いま話題の人間の足の角質を食べてくれる魚。見たことあるだろ?

その感触はかなりむず痒いものらしいが、さっぱりすると話題なので、いつも任務で疲れきっているキド達にはうってつけだと思った。

丁度いい。ここは店長のお言葉に甘えて、キド達を連れてこよう。


俺は早速店長にお礼をして、足早にアジトへと向かった。
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