タイトル未定
□2.姿見せたアゲハ蝶
1ページ/2ページ
神「ねぇ、新八ィ。銀ちゃん泣きそうだったアル。」
新「うん。先生って言ってたけど誰なんだろうね。」
多分、銀さんにとってはすごく大事な人。
それも、僕等がいるにも拘らず泣きそうになるほど。
新「銀さん…」
貴方は、なんで僕たちに頼ってくれないんですか?
僕たちはそんなに無力…ですか?
神「そういえば、銀ちゃん前に恩師がいたって言ってた事あるヨ。」
そういえば、言ってたな。
でも、僕達がその人に会いたいって言ったら、悔しそうに唇噛み締めて、
『もう…会えねぇ。』って…。
新「…でも、亡くなったんじゃ…」
神「……わかんないヨ。銀ちゃん、ちゃんと教えてくれなきゃわかんないヨ!」
神楽ちゃんの瞳からポロリと涙が零れた。
そうだ、銀さんはいつもいつも踏み込んでくるくせに、僕たちには踏み込ませない。
神「…っ!」
今更ながら溢れ出てきた涙を強く強く拭った。
頼ってくれないことが悔しくて悔しくて、唇を噛み締め泣いた。