贈り物。

□最高の言葉
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「坂田副長ぅ!突撃準備が整い次第突撃すると副長から連絡が!」

山崎が、銀時の横に来て小さな声で伝えた。
銀時はめんどくさそうに頭を掻いた後無線に口を近づける。

「あーあー、此方坂田副長。おい、マヨお前いちいちジミー君使うんじゃねえよ。無線というこんなに便利なアイテムを持っていながら。」

『その便利なアイテムの電源切ってたの誰だァァァア!!』

無線の奥から聞こえた言葉があまりにも予想通りで山崎は苦笑い。

「アレ?これ切ってたわけ?あっ、ごめーん今から電源つけるわ。」

銀時が、無線の電源を切ろうとする。

『待て待て待て!!馬鹿かテメェは!』

「あ?何だとコラ。馬鹿っていう方が馬鹿なんだぞ。」

切るのをやめ銀時は土方に突っかかる。それを見た山崎は
ー副長って坂田副長の扱いわかってるよな。
そう、思った。

『それなら、お前も馬鹿じゃねえか。
……で、準備は。』

「……できてる。いつでもオッケーだぜ。」

銀時の顔が変わった。死んだ魚のような目から、獲物を狩る猛獣の目に。
その目を見て、山崎はごくりと唾を飲み込んだ。

『そうか、じゃあ行くぞ。』

チャキっと無線の奥で刀に手を掛ける音がした。

「ラァジャ。」

銀時も、気を引き締め無線を直す。
そして、ドアを蹴破った。
土方と同時に。


「「御用改である真選組だァ!」」


そして、二人同時に叫ぶ。
すると、アワアワしだす攘夷志士達。
その中で一人、慌てずに冷静に佇む男。
多分、そいつがリーダーなのだろう。


「テメェ等!慌てんじゃねえ。相手はただの芋侍だ。」

ケラケラケラ。とそいつの渇いた笑い声がその場を支配する。
纏う雰囲気が明らかに周りとは違う。
1段、いや数段は上だ。

ゴクリ真選組は息を飲む。ただ一人を除いて。

「お〜い、テメェ等なに怖気づいちゃってんの?」

真選組の中で一際目立つ銀色。
その飄々とした態度に志士達がざわつく。

「て、めえは…。」

ポツリ、と一人の志士の声が響いた。
それを聞き銀時はニヤリと口を歪め、刀の切っ先を志士達に向けた。

「テメェ等全員、お縄につきやがればーか。」

走り出す銀時、そしてそれを見て一度顔を見合わせてから銀時の後ろをついていく真選組一同。

土方側の奴らも土方を先頭に敵へと突っ込んで行った。

「うらぁ!!!」


倉庫に響く怒号やらなんやら。
「く、コイツ等数が…多いっ!」

「途中から応援も来てまさァ。さっき倉庫の外からいっぱい入ってきやしたからねィ。」


続々と増える敵に沖田と土方も苦戦してる様子。
周りを見ても真選組の数は圧倒的に少ない。
ーこのままじゃ、全滅…
土方の頭に最悪な考えが巡った時。


「…っ!土方さん!」

土方の目の前に刀を突き出してくる。
ーやばい…っ
反射的に目をつぶる土方。

ーその、鼻を甘い匂いが掠めた
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