なるとの世界で
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私の商売は主にポケモン関連で成り立っている。
モーモーミルクはゲーム内で購入可能だが、アイテムを三次元に持ち込むにはポケモンに持たせて一々口寄せしなくてはならず、当初は作業ゲーのように出しては戻してを繰り返したものだ。
今はミルタンクをゲットしてこっちに出てきた時に搾ってもらっている。
売れ筋商品であるラッキーのタマゴも然り。
これらは普通のお客さんにはもちろん人気だが、それ以上に体調を崩していたりする人、または病気がちで体が弱い家族がいるお客さんに重宝されている。
なんでも食欲がなくてもラッキーのタマゴは食べられるとか。さすがラッキー。
他にはゲーム内で普通に売買されているものは粗方商品として扱っている。
「ミカちゃん！あの防犯グッズすごくよかったわ！」
「あ、アレ？ぶつけたらボールが破裂して犯人を眠らせるっていう…」
「え？私のはぶつけたらすっごい臭いがこびりついて犯人が逃げてもその臭いでバレるっていう…」
「あら？しびれごなで逃亡を阻止させる奴じゃないの？」
こっちのはポケモンから採取して私がアイテム化させた商品。
しびれごなとかどくのこなとかねむりごなとか、採取に大変苦労した。ブルーシートを部屋に敷き詰めてその上で技を発動してもらって地道な採取作業。……ただドクケイルの場合は飛んでもらうだけで毒の鱗粉とれたけども。
ちなみに臭いが〜ってのはベトベターから。あの臭いはちょっとやそっとじゃ落ちないよ。くさい。
あと、基本的には一般人のお客さんだけども全く忍のお客さんがいないわけではない。
だって此処は忍の里だからね。
そんな多くはないけど少なくもない忍のお客さんに１番売れているのが、なんとねむけざまし。徹夜の任務だったりなんだりで大変活用されている。
他には普通にきずぐすり関連。
……人には試してないけどディフェンダーやマックスアップって効果があるのかな、とか考える今日この頃。
余談だけど小さい子にはピッピ人形が人気。
「……はあ、」
「羽山さん…？どうかしました？」
他の奥様方は防犯グッズの話から亭主が休日に家にいるのは邪魔とか現代人と変わらない会話をがやがやと話しており、輪から抜けている常連さんが気になり声をかけた。
メタモン？メタモンは井戸端会議とは別の奥様方にベタベタ絡まれてる。
「ミカちゃん……どうしよう、私…」
困った、と全面に押し出す表情を浮かべた彼女の話を聞くと、どうやら祖母の大切にしていた蛇の抜け殻を掃除中に壊してしまったらしい。…まあ、脆いよね蛇の抜け殻。
にしてもナルト世界でも蛇の抜け殻には御利益があるという認識なのがちょっと吃驚した。
変なところ一緒で変なところ違うから、なんだかややこしい…。
いやしかし、蛇の抜け殻なんて………あ、
「羽山さん、ちょっと待っててください」
そう言って奥に引っ込んであるものを探す。確か何かに使えるかもととっておいた筈……
「……あった」
ズルリ、と引き出したのは調度コチラへと喚んでいたミニリュウが脱皮した時の抜け殻である。ハクリューのもあるが…あっちは４メートル弱あるから２メートル近くあるミニリュウの方が持ち帰りやすいと思う。
蛇より竜の方が…なんだか御利益がありそうだし？