聖帝学院

□目撃
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しばらく歩いていると、職員用の駐車場に出た。
先生の車ベンツか。流石だな…。

僕は相変わらずお姫様抱っこをされたままで、ここに着くまで生徒やら先生やらを誤魔化すのが大変だった…。
というか、本当に連れて行かれるのか…?
いやいや、まさかね、そんなはずない、うん。

「さて、瀬川先生、乗るぞ」

本当だったー!?

「ちょ、本当に連れて行くんですか!?」

「当たり前だろう?俺は一度言ったことは何があってもやる。ちなみに拒否権はない」

いや、キリッじゃないですよ。
僕の人権はどこ行ったんですか。
もう嫌だ…。
でも仕方ないから乗るけど…。

「さて、どこにいったかな…」

ん?中野原先生が何か探してる、何だろう?

「あぁ、あったあった」

どうやら見つかったみたいだ、良かった、のかな?

「瀬川先生、腕出せ」

「え?あ、はい」

ガチャン

…は?
え、なになに、ガチャンってなんの音!?
って、はい!?何か手錠かけられちゃってますけど!!?

「ちょ、中野原先生、これ何ですか!」

「手錠だが?」

だからそんなのは知ってるんだよぉぉぉ!!

「いやいや、だから、何で手錠なんかかけてるんですか」

「瀬川先生を拘束するためだが、問題あるか?」

あるよ!ありありだよ!何で拘束する必要があるんだよ!!

「あの、拘束される意味がわからないんですが…」

「あぁ、逃げられないようにする為だ」

いや、そんなことしなくたって逃げま
せんよ。もう諦めましたよ。

「それと、拘束プレイをしてみたい」

はぁぁ!!?
こ、拘束プレイって、まさかこの手錠で!?
やっぱりこの人頭おかしいんじゃないのか!?

「ちょ、拘束プレイなんてしてどうするんですか!」

「俺が楽しむ」

もう駄目だこの人、諦めよう。

「ほら、さっさと行くぞ、早く乗れ」

「はぁ、分かりましたよ、もう諦めます…」

どうせ僕には人権なんて無いんだし…。

「ふっ、今夜は楽しみだな」

「は、はは…」

お母さん、僕は今日またひとつ大人になります。今まで育ててくれてありがとう。

本当、もう帰りたい…。
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