聖帝学院
□オレの気持ち
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オレ、神原 真樹(18)は、ここ聖帝学院の3年っす。そしてなんと、オレの親友はこの学院の生徒会長、帳 律なんす!
ドジで少し間が抜けてる律っすけど、とても頼りになる、愛すべき我が校の代表っす!
これは、そんなオレと律のある日の出来事っす。
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オレは今、律と一緒に学院にある噴水の前のベンチに座っている。
片手にはアイス。まあ、よくある夏の風景だと思う。
それにしても暑い。こんなではアイスもすぐ溶けてしまうのではないのだろうか。
「りつぅ〜、暑いっすー!」
「はぁ?お前今アイス食ってんだろ。なんで暑いんだよ」
「なんでって言われても、暑いものは暑いんっすー!!」
「ったく、しゃあねぇな」
そう言って律は、オレに自分のアイスを差し出してきた。
「ほら、お前にやる。これでいいだろ」
「そんな、悪いっす!オレはだいじょーぶっすから!」
暑いのは律も同じだ。なのにもらう訳にはいかない。オレは拒否した。
すると律は「そうか?」と言って、再びアイスを食べ始めた。
こんな風に誰にでも優しくできるから、律はモテるんだと思う。
オレも、そんな律が好きだ。って、もちろん友達として、だ。それに、律には今付き合ってる人がいる。
なかなか表には出さないけど、なんだかんだ言って楽しそうだ。なんだか少しだけ嫉妬する。
「ん?どうしたんだ?俺の顔なんか見つめて」
「あれっ、見つめてたっすか?いやぁ、律があまりにカッコいいんでつい」
「何キモいこと言ってんだよ、真樹」
広場に律の笑い声がこだまする。
この時間がいつまでも続けばいいのにとオレは思う。そう、いつまでも…。