本章★ do or die..(長編)★

□THE DOWNDECELERATE
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DOWNDECELERATE
「も、もうだめ・・・・」
体の節々が痛くて思うように動かない。
次の日の夜から本当、これでもかってぐらいスパルタ。
かれこれ3日続いている。しかも夜中まで続くし私まで夜型の人間になりそう。
走らされるわ、柔軟で上から押さえつけられるわ、馬乗りになられての腹筋とか、、、
鬼!鬼畜!ドS!!

「ショーちゃん大変だねー。」
と、隣でまどろんでいたペボ。
私たちは甲板の上で寝っころがって話をしていた。

もちろん、私はペボをモフモフしていた。ペボのおなかの上に頭を乗っけて、昨夜の訓練の疲れを癒していた。
乗せてくれている以上、私も何か手伝わなきゃなと思うんだけど、なんせ体がいうことを効かない。。
「皆に迷惑かけないようにってローも協力してくれるのは嬉しいんだけど、もうちょっと優しくできないのかな。」
「あれでも優しくしているつもりだと思うよ。
男の船員でキャプテンの訓練を受けると泡吹いて気絶した奴だっているんだ。」
「・・・泡ふいて・・・気絶・・・??」
どういうことだ。
「一応女の子だと思って手加減していると思うよ。」
あれが?信じられん。

それからペボにこの世界の事を教えてもらった。
もちろん私が違う世界から来たことを隠して、島育ちで海に出るのが初めてで何もわからないと説明した。
グラインドラインがあって、海軍がいて、海賊がいて、海賊はワンピースを皆狙っているとか。
そして、ハートの海賊団船長、トラファルガー・ロー。
彼は死の外科医とも呼ばれる賞金首で、残忍なルーキーとして名を轟かせているらしい。
そうキャプテンを自慢げに語るペボの目は輝いていた。
きっとローは愛されてるんだね。
・・・でも死の外科医ってすごい異名・・・。
だから私が医者いらず、って言った時ブチギレそうだったんだ。

んで、悪魔の実の能力者が海にはたくさんいるとか。
私みたいな人たちがこの海のどこかにもいるんだ・・・。
いつか会えるかな。
あれ、私もしかしてワクワクしてる・・・?
あれだけ死にたいと思ってたのに、湧き上がるドキドキに驚きを隠せなかった。


「おい、何サボってる。だらけすぎだ。」
ローが部屋から出てきた。だらけすぎって、夜型の人に言われたくないな。
あれ、日中出てくるなんて珍しいな。
「あー・・・キャプテンー」
間延びしたペボの返答にローが目をしかめた。そしてペボのお腹の上でだれてる私に視線が行く。
「お前もだ、ショー。せっかく鍛えてやってんのに無駄にするな。」
「だって体が動かないんだもんー。
ペボ触ると癒されるし。」
私はペボのお腹に顔をうずめて、モフモフした。嗚呼、たまらんっ・・・。
「・・・癒しだと?」
低い声が私の頭にふりかかる。

「ちょ、なにす・・・っ」
「・・・・キャ、キャプテン!?」


・・・・・あれ?
一瞬何が起こったかわからなかったけど、ローが私を引っ掴んで立たせたよね・・・?
ローがニヤリと笑う。
「そういえばお前の歓迎会をしてなかったな。」
「歓迎会なんて、私仲間になるって言った覚えないんですけど。」
「それは残念だ。仕方ねえから今日も特訓だな。」
「え、いやいや!
開きましょう、歓迎会っ!!」
特訓が嫌すぎて、勢いで言ってしまったことに私ははっとなった。今もしかして乗らされた??
「ククッ、どんだけ嫌なんだ。
まあいい。だが歓迎会の方が、特訓より厳しいかもな。」
ニヒルな笑いを浮かべて、ローは奥の部屋へと消えて行った。
何なんだろ?と思いながらも今日は特訓がないことに胸をなでおろした。


そして夕方・・・。
体力が回復してきたので、私はキッチンへ向かい、料理を手伝うことにした。
みんな働いているのに、私だけバテてちゃ申し訳ないもんね・・・。
でもこの世界の料理って、どれも不思議。料理はメジャーなものしか作れないけど、ちょっと興味ある。
「お、ショーちゃん。なんだもうお腹すいたのか?」
「ち、違いますっ
何か手伝えるかなって・・・。」
「おー、助かるよ。んじゃそこの調味料とって。」
おぉ、何かみたことない調味料ばっかだ。
私は料理長に調味料を渡しながら、色々舐めてみる。
「あれ、これ醤油みたいっ。お、これはみりんっぽい??」
「おお、目が高いね。それはワノクニの調味料さ。」
この世界でも似たような料理作れそう。
私は腕を捲りあげた。
「今日は宴会なんですよね?私も2,3品作りますっ」
って、和食ぐらいしか作れないけど。
頼もしいね!と言って私は料理長と汗だくになりながら大量の料理を作り上げた。


夜も更けて、皆が食堂に集まりだした。
「おぉ、いいにおい。」
「あれ、見たことない料理が出てるぞ」
人に料理ふるまうのって初めてなんだよね。。
私はドキドキしながら、先に部屋に入ってきた風を装い席に着いた。
チャース、といってシャチとペンギンが酒樽これでもかってぐらい担いで入ってきた。
「二人ともそれお酒?すごい量・・・」
「何言ってんだ?
まだあるぞ。こんな量なんて一時間もあれば空っぽだ。」
「あ、あはは」
・・・・特訓より厳しいとはこのことか。私は苦笑いするしかなかった。
程なくしてローが気だるそうに食堂に顔を出した。
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