本章★ do or die..(長編)★

□THE AWARKENESS
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「ト、トラファルガー・ロー!!!!」
腕の痛みにもだえながら、男が恐れおののくように叫んだ。
ローはその男を一睨みして私に向き直った。
「とにかく逃げるぞ。お前の能力を知られてはまずい。」
「まって。」
私は気絶した二人の男を見た。
「まだ・・・助かるかも・・・」
私は全身ヤケドをおったように肌がまっかになった男に駆け寄った。まだ息があるけど危険な状態。
もう一人は腕だけで、パニックでのたうちまわっている。多分、大丈夫。
「おい!」
遠くで警官が駆けてくる音が聞こえる。
「もう、人が死ぬのは見たくないの。」
私は男の胸に両手をあてて、深呼吸をした。
大丈夫、ローも見ててくれてる。

「“LIFE”」


両手から暖かい湯気があがる。
男の肌がみるみる治っていく。
よかった、、、、
「・・っ・・・ショー!!!」
そのあとのことは覚えてない。
力を使い果たしたのと男の顔に生気が戻ったことに安心して、私はその場で気を失ってしまった。







「ん・・・」
目を覚ますと天井が見えた。ゆっくり辺りを見回すと、たくさんの本が目に映った。丸い窓から複数の気泡が浮いては出て、魚がその横を通り過ぎていく。
船に戻ってきたんだ。海の中ってことは、島から出たんだね。
横を向くと、薄暗い中ランプの明かりで本を読むローが見えた。あ、ここローの部屋だ。
頭がぼーっとするので、自分の居場所を理解するまでに時間がかかった。

「・・・ロー・・・」
私が起きたことに気づいてローが本から顔を上げる。
ローは本を机の上において、ベッドに腰かけた。
「・・・“ROOM”・・・」
薄い膜が体をかすめた。
「顔、見せろ。」
ローは私の額に大きな手を置いた。それから目を見て、頬に手をやった。
私に触れながらローは、私が気を失った後のことを説明してくれた。
「知らない奴について行きやがって。もっと危機感持ちやがれ」
「ごめんなさい・・・」


「ローが船まで運んでくれたんだ・・・。」
「お前を一人置いていくわけないだろ。」

ランプの明かりがチラチラとローの顔を照らす。
頬から伝わる温もりが心地よくて、思わずその手に頬を摺り寄せてた。
「・・・誘ってんのか?」
「!」
はっと自分の行動に気が付いて頬を正面に動かした。
私、何やってんだ・・・・っっ。
正面にむきなおった所為で、ローとの距離が近づいてしまった。
鼻が触れそうな距離。ベットがギシリと鈍い音を立てる。
「・・・・」
「・・・・」
あれ、何この雰囲気。
まさか・・・・

「・・・おい、何やってる。」
低い声がシーツ越しに伝わってきた。
私は目をつぶりながら、咄嗟に両手でシーツを自分の口まで持ち上げた。
「身の危険を感じたので・・・」
ローがニヤリと笑う。
「よく分ってんじゃねえか」
人差し指で私の両手でつかんでいたシーツをスッとさげた。
心臓がドクドク脈打っている。もう爆発しそうなくらい。
私は強く目を瞑った。


「キャプテーン!!」


バンッっといきなり扉が開いた。
「あ・・・」
シャチだった。暗がりの中私に覆いかぶさるローを見て、しまった、という顔をした。
「バラされてえのか」
ドスの聞いた声でシャチを一喝する。
「わあああ、すんません、すんません!」
シャチは何度もすんませんと連呼。
「・・・・何だ。」
食事の準備ができたらしい。
ローは舌打ちをして、すぐ行くとシャチに伝えた。

た、助かった。シャチに感謝っ。

ローは私から手を離してベッドから立ち上がった。
「メシ、食えるだろ。」
「う、うん・・・」
震えそうな声を抑えながら私は言った。
ローはそのまま何も言わずに部屋を一人出て行ってしまった。

とりのこされた私はぽかんとベットに横たわったまま、早く脈を打つ自分の鼓動を聞いていた。

私が間違いじゃなければ

ロー


私にキスしようとしてた・・・?
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