本章★ do or die..(長編)★

□THREATS
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「・・・着替えろ。目に癪だ。」
ローを見つめていると急に目を背けて、私に触れていた両手を上にあげた。
今の服装を改めてみると私は血にまみれた上、太ももまで破かれたボロボロのドレスを着ていて。
弾丸をうけたせいで、所々穴が開いて肌が見えてしまっている。
・・・ドレスを着たのは初めてでもう少し着ていたい気もするけど、こんなぼろぼろじゃな・・・。

私は静かに頷いて、ローが出て行ったのを見て傍に誰かが置いたであろうツナギに手を通した。



「ん?なんだろ??」
ツナギを着終わろうとしているときに扉の向こうでクルーたちが叫ぶ声が聞こえた。
「・・・!・・・!」
何かに驚いて口々に叫んでいるようだが、よく聞こえない。
あの訳のわからない青い目の能力者の後だ。私は嫌な予感がした。
ゆっくりと扉を開けて外の様子をうかがう。
「よかった、前みたくみんな倒れてない・・・。」
だが様子がおかしい。甲板に立つ見慣れない人物を見て、全員が息を呑んだ。

「「ド、ドンキホーテ・ドフラミンゴ・・・・!!」」

「度フラミンゴ??」
なんかすごいゴージャスな名前だな・・・。
いったいどんな人だと皆の陰から顔をのぞく。

船首に立つのはおそろしく長身で、肩にはピンクのゴージャスなジャケットを着た男
大きく開いた口からは長い舌が蛇のように出ている。
数週間ほどこの船にのっていたが、こんなキャラの濃い人なんて見たことない。
ここは海の真ん中。フラミンゴってことは飛んできたのか?
よくはわからないが、ドフラミンゴは能力者のようで、かつ皆の唖然した顔を見ると大物でもあるようだ。

「・・・ロー・・・?」

ドフラミンゴが降り立った目の前には、ローがいた。
だが様子がおかしい。いつもの無表情が崩れかけている。
ローの今までに見たこともないその表情に私は胸が締め付けられた
「何しにきた?」
「何しにきたはネェだろ。
ナァに、近くを通ったんで“元部下”の顔を見たくなった。」

「元部下・・・?ローはあの“度フラミンゴ”の部下だったの・・・?」
「お前、ドフラミンゴを知らないのか?」
私の“度”という発音を怪訝に思いながらも近くにいたペンギンが説明してくれた。
彼は王下七武海海賊ドンキホーテ・ドフラミンゴ。
ドレスローザの国王であり、昔ローはドフラミンゴの下で部下として働いていたという。
久々の再会を喜ぶというより、明らかにローは動揺していた。

ローの顔をみれば、彼との関係が伺えた。尊敬の念なんてない。

畏怖の中での絶対服従。



「で、今朝の新聞にこんなものが入ってた。」
「!」
それは”DEAD OR ALIVE”と書かれた手配書。
「キャプテン、賞金が上がってる・・・」
ペンギンがぼぞっと嬉しそうに呟く。
「ナルシー王国の王子とその近衛兵を壊滅状態にしたようだな。
それは俺の同盟国と知ってか・・・?」
ドフラミンゴの背後からどす黒いオーラが見え隠れした。

「いや。」

知らなかった、とローは白を切った。
その答えがおもしろいのか、ドフラミンゴは大きな口を引き揚げた。
「白を切るならそれはそれでいい。俺にとってどうでもいいことだからな。
おっと・・・・


お前の手配書の下に“もう一枚”あった・・・・。」


わざとらしく一枚の紙を見せられる。
ローの目が見開いて、冷や汗が出ている。
私は何を見せられたのか背伸びしてのぞこうとしたが、ぺンギンに制止され、そのままペンギンの背に隠された。
いつのまにかべポたちも私の近くに集まり、私を隠そうとする。


「“死の救急救命士”・・・・




ショー・・・・・」


そこには血塗られたネイビーのドレスを着た私の写真。
下には”DEAD OR ALIVE”とと書かれている。
「ショーが、指名手配・・・・。賞金3500万ベリー・・・・」
ペンギンが息を呑みながら呟く。
「わ、わたしが・・・賞金首・・・・?!」
ナルシー王国はこの近くでは名の知れた王国だったらしい。私はエドワード4世に瀕死の重傷を負わせた。
昨日の一件で、私の名はグランドライン中に響いた。
ドフラミンゴはニタニタと笑いながら甲板に足を踏み入れた。
「っやめろ!そいつに手を出すなっ!!」
「ナァに、別に取って食いはしない。
ただお前が今まで女を仲間に入れたことがなかった。
どんな奴が入ったか、気になってナァ・・・」

「チッ・・・」

ペンギンがすかさず動く。
「ペンギン、ダメだ!手を出すなっ!」
ペンギンが銃を握ってドフラミンゴに発砲するが、長い脚で空をけり、ふわりと天高く飛んだ。
「・・・・お前か。」
空中からサングラス越しにドフラミンゴと目が合う。

「ショー!!」

ローが私の名を叫ぶ声が聞こえたが、すさまじい威圧感から私はその場を動けずにいた。
トン、とドフラミンゴが私の目の前に降り立った。
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