本章★ do or die..(長編)★

□THE SUVERNOVA
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THE SUPERNOVA


「ん〜・・・久しぶりの地面!!」

私は地面を踏みしめて体を伸ばした。
ここはシャボンディ諸島。
シャボンと名前が付くだけあって、木からプカプカと気泡が浮かび上がっては天高く上り消えていく。
「ここ遊園地が有名なんだよ!」
「遊園地あるの?!
ジェットコースター乗りたい!」
遊園地はメリーゴーランドでしょ、とベポとのやり取りをしているとクルーたちが停泊の準備を終えて船から降りて来た。

「遊園地なんか行かねえぞ。ログが溜まったらすぐ出る。」
振り返るとすごく不機嫌なローの顔が私たちを睨んでいた。
あれ、怒ってる?
「ショー、お前は俺から離れるな。」
あまりにも不機嫌すぎて怯えてしまった私はその言葉の意味を理解するまで時間がかかった。
おそらく、この島にはドフラミンゴがいる。
鉢合わせて面倒なことにならないようにローが着いていてくれるのだろう。
私は少し不安になりながらも、ローを見ながら頷いた。

「よおし、船は何人か残して、買い出しだ。」
シャチが仕切りながら、皆オー!と手を挙げて各々担当に分かれて散って行った。

「私たちはどうするの?
心配なら、私船に残るけど。」
「お前を船に残したところで、好奇心で出て行こうとするだろ。
それなら寧ろ連れて行った方がいい。」
・・・内心を読まれていた。
ローの言うとおり、やる事がなくなって散歩にとフラフラ出ていきそうだった。


私とベポ、シャチ、ペンギンそしてローは一緒に島に入ることになった。
歩きながらシャチが説明してくれたが、ここは新世界へと続く登竜門的な所らしい。
だから、色んな海から強者が集う。その分、海軍も黙って見ている筈もなく、シャボンディ諸島には駐屯地もある。
「目立つような事はするなよ。」
と、珍しくペンギンにも釘を刺された。
白いツナギ着て、いかにもハートの海賊団ですといっている貴方たちには言われたくないけど。
私はというと、タトゥーを隠すために薄手のシャツを羽織っていた。
「後、宇宙人みたいな奴らには気をつけろ。」
「宇宙人??」
ペンギンは天竜人の事を説明した。
とにかく手を出してはいけないらしい。手を出すと海軍の大将が来るとか。
そういえば、海賊にはあったことあるけれど海軍には鉢合わせしたことないな。
大将と言うからには相当強いのだろう。
出来るならば会いたくはない。

シャボンディ諸島は本当今まで見てきた島とは違い風変りな島だった。
ぷかぷか浮くシャボン玉みたいな気泡は不思議な乗り物や、荷物を楽に運ぶ手段とか
とにかく色々有効活用されていた。
「ねえねえ、あれは・・・」
お?ん??

「・・・・・」

指さしながら振り返ると、皆が忽然と消えていた。
おっと・・・。
離れるなとローに言われた直後にすぐに逸れてしまった私。
後でローに死ぬほど怒られるだろうな。せめて行先ぐらい聞いておけばよかった。
一気に血の気が引く感覚を覚えた。
「とにかく、白いツナギの集団を探すとするしかないか・・・」
ため息をつきながら、キョロキョロしていると目の前の工事中の建物を通り過ぎる人の上が急に暗くなった。


「危ない!!!」

建設中の建物の上から急に鉄筋が落ちてきた。
「!!!!!」

咄嗟の判断だった。
気が付いた時には私の足は走りだしていた。

ガシャーーーーン!!ドコドコ・・・・

凄まじい音が辺りを包み、通りすがりの人々が何事と工事中の現場を振り返る。
私は下敷きになりそうだった人の上に馬乗りになって、無数の鉄筋の柱からその人を守った。
体中が痛い。何本か骨が折れたようだ。激痛で飛びそうな意識を何とか
繋ぎ止めて、下にいる人が無事かどうか確かめる。
「っ・・・大丈夫ですか?」
「あ、貴方こそ大丈夫なの?!
すごい血!!
ってか、いやー!骨出てるっ!!!」
パニックになりながらも必死に鉄筋をのけようとする。
茶髪ですごくスタイルのいい女性だった。
「大丈夫、すぐ除けるから!!」
びくともしない鉄筋を必死に持ち上げようとする。

ガラガラ・・・

不意に思いもよらぬところから手が伸びて、
私の背中を押しつぶそうとしていた鉄の塊が一つずつ取り除かれていった。
「貴方、無謀すぎるわ。」
鉄筋と鉄筋の間から別の女性の声がした。
「・・・あれ?!」
よく見ると鉄の間から手が生えていた。
もしかして、能力者・・・・?
頭をよぎるも、野次馬たちが私たちを取り囲んでいた。
「だ、大丈夫か?!」
「わ、鉄から手が生えた・・・・?」
「ま、まさか・・・・ニコ・ロビンか!!??」
手をクロスさせたまま、周りの人々を迷惑そうに睨みつけたのは、ニコ・ロビンと指さされた女性だった・
「・・・・とにかく、場所を変えましょう。」
「そうね、この子の手当しないと。とにかくチョッパーに診てもらわなきゃ!」
「え、って、私は大丈夫ですって!!」
茶髪の女性に手を引かれながら、走り出す。


「ハァ・・・・ハァッ」
は、早いこの二人。いつまで走るんだと思った・・・。
息切れしながら、二人を見つめる。
「ここまで来れば安心でしょう。」
「海軍が来なくてよかったわね。」
いつのまにか、街の少し外れた場所に来ていた。
誰も折って来ないことを安心した二人は、私を見て目を丸くして驚いた。

「え、貴方、傷治ってる???!!!
あんな鉄筋の下敷きになって、肋骨出てたじゃない!!!」

「貴方もしかして、能力者?」

「え、ええ。そうです。
能力者です。どんな傷でも治るチユチユの実の能力者です・・・・。」

ってか、普通だったら手を引かれて走り出せない時点で気づいてくれよ。
逃げるのに必死だったんだから仕方ないか、と自分を落ち着かせながら考えた。
「あれ、どっかで会った事ありますか?」
二人ともどこかで見たことある顔だった。
「いいえ、初めて会うわ。」
「フフッ・・・きっとお尋ね者だから新聞とかで見たんだと思うわ。
そういう貴方も私見たことあるわよ。」
黒い髪を靡かせて口元に手を当てる。

「ハートの海賊団、死の救急救命士ショーだったかしら。」


心臓が飛び跳ねそうだった。
この二人は私を知っている。
どうしよう、逃げるべきか。
ローたちは今どこにいるのだろう。

高鳴る心臓を必死で生唾を呑みこんで押し殺した。

「あー、私も見たことあると思った!
私ナミ!
安心して、私たちも賞金首の海賊だから!」

ニカッと笑いショーに握手を求めた。
「え?
海賊、なんですか??!!」
思わず手を差し伸べて、ナミにぶんぶん手を振られた。
どこかで見たことあると思ったら賞金首の海賊だったんだ。
お互いが同じ立場の場合蹴落とそうとするのが普通な感じがするのだけれど、
この二人はそれと違って、寧ろフレンドリーで、且つ喜んでいるようだった。

「あーあ、ってかショーちゃんの服血まみれにしちゃったね。」
「フフッ・・・グロテスクね・・・・。」

そう言われて自分の服を見ると、羽織っていた白いシャツやデニムが血まみれだった。
普通の人なら出血多量で死んでいただろう。
「大丈夫です。傷が絶えないのはいつものことなので、
船に帰って着替えます。」

「だめよっ」

ナミが私の肩を掴んで叫んだ。
「せめて私を助けてくれたお詫びをさせて。
服ぐらい買わせて。」
「近くにショッピングセンターがあったわね。」
「え、えええ?!」
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