本章★ do or die..(長編)★

□THE CORRESPONDANCE
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The correspondance

思えばここが現実だったのか、あちらが現実だったのか・・・
私は冴えない夢の中で世界を往来していた。

あれから3日過ぎたように思う。
大半を布団の中ですごしたので時間の感覚がおかしく、
また寝すぎて頭が疼く。

重たい瞼をあけると見覚えのあるシミのある薄白い天井が見えた。
生まれ育った児童養護施設。やはりここが現実なのだと、幼いころの記憶が自分の心をつつく。

上半身をけだるく起こし、窓の外のグラウンドを見ると、オレンジ色の夕焼けに子供たちの長い影が伸びては縮んていた。
また頭の冴えない私はぼうっとしながら、子供たちが追いかけごっこをする姿を見続けていた。
遊んでいる4,5人の子供たち全員が木の枝を持って何かを追いかけまわし、突いている。
逆光でよくわからないが、何かうねうねした小さいものだった。

なんだろう・・・

「・・・・・・」

気づいた瞬間、ショーは布団を蹴って外に飛び出していた。

「うわっ、なんだ?」
「気持ち悪い!」
「なんかしゃべってるぞ!!」

キャッキャと子供たちに近づくにつれその正体が明らかになる。
私は裸足のまま子供たちに向かって突進する勢いで走りこんだ。

「はぁっ・・・こらー!!!」

私の声に気づき子供たちがびくっと振り返る。

取り囲んでいたのは、
大型のブチ柄の帽子を被ったかたつむり。



・・・・ローから貰った電々虫だ!!




血相を変えて走ってくる私に子供たちは恐れ驚きわーっと逃げ出した。

プルプルプル・・・プルプルプル・・・

「はぁ・・・ぁはぁ」

ガチャ

「も、もしもし?」

『おい』

その一言だけで誰かすぐにわかる。


ローだ。ローから電話がかかってきた。
電話、つながるんだ。
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