本章★ do or die..(長編)★
□THE INTERLACING
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THE INTERLACING
「は?!」
「え?!」
クルー達が口々に驚きを発する。
俺自体どういう経緯かも明瞭ではない。苛立ちを抑えようとため息をつきながら奴らにアァ、と答えた。
事の発端は麦わら屋を救出し、クジャ海賊団に誘導され女ヶ島へ避難したことから始まる。
何とか一命を取りとめたものの快方には時間がかかるにも関わらず暴れちらす麦わら屋をどうしておくべきか苦慮していた所だった。
「・・・てめえもまだ寝てねえと傷に触るぞ」
背後に人の気配を感じつつも海を見ながらそう言うと、
「魚人は回復が早いんでな。」
「にしても動いていいってほどの状態じゃねえぞ」
医者としての注意はするが、麦わら屋があんな状態じゃあ仕方ないと内心諦めていた。
何にしろ元王下七武海のジンベエだ。これくらいの傷でぶっ倒れたりしないだろう。
そんな事を考えていると、ジンベエがそういえば、と不意に漏らした。
「ショーとか言ったかな。あいつは船に乗せれなくて大丈夫じゃったんか?」
ジンベエから思いもよらぬ名前が出て思わず振り返る。
「、、、どういうことだ?」
聞けばジンベエはあの戦場でショーに会ったという。
そして白ひげを治そうと目の前に立ちはだかった。
聞いている間に怒りともとれぬ焦りが全身を覆う。
妙な胸のざわつきと驚きを隠せず俺は思わずジンベエの襟に手をかけていた。
「何故あいつがこっちにいるっ?!」
声を荒げた俺に対しジンベエはさも不思議そうに眉を寄せた。
「お前さんがさしむけたんじゃないのか?」
俺は舌打ちしてジンベエから手を離した。
冷静に考えてみるとジンベエはインペルダウンから抜けてきたばかりだ。あいつが何故そこにいたのかわかるよしもないだろう。
では経路はどこから、と模索するうちにドフラミンゴが粗方あいつに何かを持ちかけた可能性が高いことに背筋が凍るのを感じた。
待っていろと言ったのに、と落胆するには遅すぎた。
口許に手を当て黙りこむ俺を見てジンベエは
「すまん、てっきりおまえさんの指示で先にあの場所へいたもんじゃと。」
「いや、あの状況じゃあそう思ってもしかたねえ。」
「おそらく白ひげ海賊団の治療に当たっているはずじゃ。事態が落ちついたら連絡取れるかもしれん」
「、、、、だといいんだが」
嫌な予感がしてならない。
「じゃあキャプテンも今ショーがどこにいるかわからないってことですね」
ペンギンの問いかけにアァと一言答えると奴らは落胆して項垂れてしまった。
「でんでん虫もどこにやったのか全然つながらないし、、、」
とベポが耳を垂らしながらしょんぼりしている。
「とにかくここにいても埒があかねえ。帆を進めるぞ」
皆今この状況で出るのか、と言いたそうだったが立ち上がり一睨みするとそそくさ出航の準備を始めた。
「いいんですか?」
奴らが出航の準備をする中、俺の横にペンギンが歩いて来た。
言葉足らずに確認するペンギンに何となく答えを探す。
「怪我人は暴れねえ限り放っておきゃ治る。
ジンベエの連絡先も確認済みだ。
ここにいる用はねえ」
ペンギンは他にも何か言いたそうに俯いた。
「ショー、まさかドフラミンゴと接触した可能性ってあるんですかね」
変に感のいいやつだ。
顔を顰めながらさあなと呟くも心の中ではペンギンの言葉に同意をしていた。
「今やるべき事ははっきりしている。とるべき椅子は必ず奪う」
そう、時代は変わりつつある。
錯乱してる今こそ、一手が最も重要なものになるのだ。
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