本章★ do or die..(長編)★
□the missing
1ページ/2ページ
The missing
「今は、、、、帰れないんです」
マルコは疑問に思い私を見つめ続けるが、私は太ももの上に乗せた両手を強く握りしめたままその目を見ることができなかった。
目を見てしまうと目の前のマルコに縋り付いて泣いてしまいそうで怖かった。
「ショーは俺たちの命の恩人だよい。」
思わずマルコを見上げてしまう。
「ありがとうございます。」
それ以上何も言わない私に対し何か察したのだろう。マルコはそれ以上問わなかった。
「ショー、お前は特殊だ。
命を気をつけろ、、、じゃねえな。」
確かに、海に落ちるか力を使い果たさない限り死なない。
マルコは口に手を当てながら
「身の振り方次第では世界を揺るがす能力だよい」
どういうことだとマルコを見つめながら首を傾げるも、彼は何かに対し躊躇しながら言葉を考えているようだった。
「新世界は広く、厳しいよい。
次の海賊王だと言われたオヤジでさえ全てを知らねえ。
今は強いと持て囃される奴でも新世界に行きゃあ赤子も同然。
仲間だとかいう友情ごっこで船に固執するなよい」
「え、、、」
「少なくとも俺・・・俺たちならショーを守れる。
帰れねえ理由なんて作らせねえよい」
マルコの目は本気だった。
力強く、家族という絆をもった海賊団。私はその圧倒的強さに息を飲んだ。
マルコなら、白ひげ海賊団であったらな今の私の状況を助けてくれる。
そもそも白ひげ海賊団に拾われていたらそんな軽い事と笑ってすぐに解決できたかもしれない。
「だがショーの仲間への思いはわかるよい。
無碍にはしねえが助けが必要になったらいつでも言ってくれよい」
治療したとは言え、会って間もない私にここまで言ってくれるマルコの包容力に驚きつつもすごく嬉しかった。
「ありがとうございます。
その時はマルコさんに相談します」
私は嬉しさのあまり泣きそうな顔を取り繕って笑った。
そうしてマルコと海の方を見つめる。
嗚呼、もうすぐ日が落ちる。
ふと満天の星空をローと眺めた時の事を思い出し胸が熱くなった。
.