本章★ do or die..(長編)★

□the missing
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「どうしたんだ、マルコ。
こんな朝早く海なんか見つめて」

大きなガタイを揺らして茶化しながらマルコにそう問いかけたのはダイヤモンドジョズ。

船の細い先端部分に器用にしゃがみ込んでマルコは海を見つめていた。
地平線の向こうには少し顔を出しかけた太陽が島を明るく照らし出そうとしていた。
そして目視できるかできないかの遠くで飛行機のような物体が空を渡っている。


「いや・・・少し後悔してるんだよい」


着崩した甲冑をカランと鳴らしながらダイアモンドジョズが首を傾げる。
「無理やりにでも止めとけばよかったよい」
「・・・オヤジか・・・?」
マルコは細い目を悲しそうに細めた。
「・・・オヤジもそうだよい。
なぁジョズ、俺はオヤジの様になれるか?

息子としてオヤジの背中を見守ってきた。
まだ俺では力不足だと感じてあいつも止めれなかったよい」

「・・・・ショーのことか。
行ったのかアイツ。

お前の誘いを断って、別れも告げず旅だったのか。」


マルコは俯きながら苦笑いをした。
そうして気持ちを切り替えるようにパンッと自分の両膝を叩いて立ち上がる。




「今日は忙しくなるぞ、オヤジとエースの弔いをするよい」




++++++




“もしもし、トラファルガー・ローか?
わしだ。ジンベエじゃ“





女ヶ島を出て2日ほど経った頃だろうか、ジンベエから連絡が入った。
ジンベエはまだ女ヶ島にまだいるらしく、電話越しから女の騒ぐ声がかすかに聞こえた。
お前さんが心配しているだろうと思って急いで伝えてやろうと思ってな、とジンベエは話を切り出した。
心配、という言葉に俺は眉を寄せた。今頃向こうのでんでん虫の顔がしかめっ面になっているだろう。

“ショーの事じゃ。
やはり白ひげ海賊団の治療にあたっとったらしい“

操舵室に居たペンギンとシャチがその言葉を聞きでんでん虫にかじりつく。
他のクルー達も何事と作業していた手を止め振り返る。

「「ショーが白ひげ海賊団に!!?」」

二人を一睨みしてでんでん虫からひっぺがす。
「・・・で?
ショーは白ひげ海賊団とどこにいるんだ?」

しかめっ面のでんでん虫が急に黙り込む。


「・・・・朝には消えていたそうじゃ」


隣でペンギンが息を呑む。

「キャ、キャプテン・・・まさか・・・」

「一人で消えるはずはねえ。
誰かが連れ去った形跡はないのか??」



“マルコが言うには、大きな推進機のようなものに乗って飛んでいってしもうたようじゃ
・・・やつなりに止めたようじゃが、ショーは断って何も告げずに朝方いなくなったと・・・“





”推進機”・・・プロペラ飛行機のようなものと連想するのは奴しかいなかった。




途中から血の気の引く音でジンベイの声が全く聞こえない。
ジンベエに礼を伝えて静かにでんでん虫を切る。

「最悪の事態ですね。」

ペンギンが口を開く。
いつのまにかほとんどのクルーが操舵室に集まっていた。





「・・・・先を急ぐぞ」

そのドスの聞いたクルーたちが戦々恐々として肩を一瞬震わせたのが見える。
だが一息置いた所で潜水艦が揺れるかの如く叫んだ。




「「「アイアイ、キャプテン!!!!」」」







航路は開かれた。




―――進むしかねえ・・・・っ



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