本章★ do or die..(長編)★
□the stratagem
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ここはきっと夏島という部類の所なのだろう。
変に汗が止まらない。
そして目の前にいる男から嫌悪感で後ずさりしようとする自分の足を地面に強く踏みしめた。
「よく眠ってたじゃァないか」
「お陰様で」
淡々と答えるもドフラミンゴは上機嫌だ。
「んねぇーんねぇードフィー」
ドフラミンゴの後方からトレーボルと呼ばれる最高幹部がぬっと顔をだした。
ドフラミンゴファミリーは思わず見上げてしまう長身の大男がほとんど。
体格からして威圧感がある。
「この子とどんな取引をしたのさー?」
「なァに、簡単な事だ、、、
世界を渡らせるかわりに
"血をわけてもらうのさ"」
チユチユの実の能力者の血には、発動する治癒能力と同等の威力があるという。
ドフラミンゴは私の血を欲しがった。
「約束は果たしてください。
10リットル採取したら、私を自由にしてくれると」
始終楽しそうなドフラミンゴに腹が立ちながらも私は取引を果たすべく仁王立ちで彼の前に立った。
10リットルは途方もない量だ。おそらく通常の人間でも20年以上はかかるだろう。
それは自分でもわかっている。
ただ自分の自己再生能力を駆使すればその期間は短くなるはず。
ドフラミンゴは私の能力増強にも協力すると提案してきた。
ローが知ったらきっと怒るだろう。
待っていろと言ったのにも関わらずドフラミンゴと取引をしたのだ。
この世界へ帰るために私の血を分けると。
だが今回まさかドフラミンゴとの話の当日夜に知らない間に飛ばされるとは思ってもみなかった。
荷造りも出来ずでんでん虫さえ置いていってしまったので、今頃先生もハートのクルー達も心配していることだろう。
ただ、私は、守られるだけのか弱い女の子ではいたくなかった。
マルコの言う通り、この先厳しい新世界を乗り切るにはある程度の切り札がいる。
ローと彼の関係はまだ計り知れない所があるが、この賭けは潜入捜査という私の中の名目もあった。
「あら、ショー、あなた賞金上がっているわよ」
振り向くとタバコをくわえながら新聞の見開きを広げてみせるベビー5がいた。
「・・・・1億ベリー・・・?
えっ・・・・!?」
写っているのはやはり血だらけのネイビードレスを来た私。
跳ね上がった額に驚きを隠せない。
「仕方ねえだろ、白ひげを唯一助けられたはずの存在だァ。
この先他の危険因子も助ける可能性がある奴を海軍が野放しにしておく事はネェ
まァ俺としてはてめぇがもっと掻き回してくれると思っていたが、白ひげのじじいが断るとは意外だったなぁ・・・フッフッフッ」
どうしよう、いまごろハートの方は大騒ぎしているかもしれない。
ってか、還ってきたこともばれているはずだ。
なら、尚更だ。
早くこんな所おさらばしなければ。
私は拳を強く握りしめた。