本章★ do or die..(長編)★
□the strain
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The strain
翌日からドフラミンゴの邸宅で私はトレーニングに励む日々が始まった。
それからもう何か月たっただろう。
ドフラミンゴファミリーにも幾分か慣れたもの、トレーニングは凄まじいものだった。
デリンジャーの顔に似合わない鬼畜攻撃に始まり、ベビー5の無差別武器乱射。たまに手の空いた最高幹部のトレーニングは遠慮したいほど想像を絶するものだった。
ここ数ヶ月で気付いたこと。ドフラミンゴファミリーは何百もの部下を束ねる大きな海賊、というか組織で下っ端の輩じゃ生きて幹部に会えることはほぼないぐらい巨大だ。
その幹部たちがへっぽこの私のトレーニングに付き合っているのは、やはりドフラミンゴからの指示と、チユチユの実の血はそれだけ最重要項目として捉えられているのかもしれない。
同盟国も何ヶ国もあるようだし、憶測だが彼らからの端々の会話からすると闇取引としての仲介役を担っているようだ。
―――・・・・嫌な予感がする。
血をわけることの快諾して世界を渡ったのは果たして正解だったのか、、、
今の所採血をするようなことはされていない。
いっその事こっそり逃げ出すのもありかもしれない。
「ガラ空きよ!!!」
考えを巡らせていた所為で、右手を刀剣に変えたベビー5が不意に脇腹に刃を滑り込ませる。咄嗟に体を逸らすも腹部が少し切れて痛みが走り、私は顔を歪めた。
「っ!」
そして身の危険を感じて思わず彼女の懐に入り腰を引っつかんだ事で能力が発動してしまった。
「うぐっ?!」
ベビー5が私に打ち込んだ大砲が彼女自身の体を貫通する。
血を吐きながら倒れる彼女を見てはっと自分がしでかした行動に青ざめる。
「ご、ごめんなさい!ベビー5!!」
急いで腹部に手を置いてLIFEと呟くと傷は跡形もなく消えさった。
「っはぁはぁ、、、やるじゃない。
ってか、自分の攻撃で負傷するとか世話ないわね」
ベビー5は苦笑いしながらよろよろと私の手を借りて立ち上がった。
そうしてポケットからタバコを取り出し火をつけた。
「ローにも、よく私が怪我して治してもらったっけな。
あいつの能力も舌を巻くほどだったけど、能力だけじゃなくて努力あってこその外科医と呼ばれる所以かしら。
ショーの能力はローが悔しがったんじゃなくて?」
急にローの話が出てきてぽかんとしてしまった。
ベビー5はローと面識があるのか。
「ローとは小さい頃から一緒にいたの。」
「そう、なんですか」
子供の頃のロー、どんな子だったのだろう。
私の知らないローを知っているベビー5は何だか羨ましく思ってしまった。
「羨ましいとかそういった感情があったのか知りません。
でも能力の所為で人に触れられない私を助けてくれました」
ベビー5は空に紫煙を拭きながら少し口を釣り上げて笑った。
「・・・・へぇ、あのローが助けるなんてどういう風の吹き回しかしら」
「ローは、ローの能力を無効化するチユチユの実の能力者を探していたといいます。
宿敵になる前に仲間にしたかったのではないでしょうか」
そう言うと少し驚いたように私を見つめたが、ふっと急に笑いだした。
「ふふっ、最初はそうだったかもしれないわね。
ただ覚えていて頂戴。ローは死の外科医と異名を持つ冷徹残酷な鬼畜野郎よ」
・・・・すごい毒舌を聞いた気がする。
「だからショーを、宿敵とはいえ助けた事も驚いている。
あいつにも人の心があったのかと。
、、、まあドフラミンゴもアンタの血を欲しているけどトレーニングを付けている部分、私には不可解だわ。
能力だけでない魅力的なものがあるのかしら」
ベビー5は武器を体内にしまいながら呟いた。
私に魅力だと??
頭の中であのナイスバデーなメイドさんたちと自分の貧者な体を比較する。
・・・・ないな。血を欲してるだけだ。
「何ぼさっとしてんの。
ドフラミンゴと出掛けるんでしょう?」
はっと辺りをみれば邸宅の入り口にまた三人のメイドが私を待ち構えていた。
「そ、そうでした!
えーっと、どこでしたっけ」
名前が出てこない。
呆れたようにベビー5がため息か煙かわからない息を吐く。
「新世界の海軍本部よ。」
そこに何をしに行くのか今の私は知る由もなかった。