本章★ do or die..(長編)★

□the scar
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「キャプテン!
ショーは、、、」



ペンギンが容体を確かめようと問いかけたが、その言葉は俺のどす黒い雰囲気で続かなかったようだ。



ビリビリと空気が自分の怒りで振動しているのがわかる。
ショーの体は熱を帯び、身体中から汗が吹き出ている。
チユチユの実の能力者が熱を出すのは異様だ。
海に落ちたか海楼石に繋がれ、体力が極限に低下しない限り起こり得ない。
しかし俺はショーの背中をみて戦慄が走った。




「毒だな」




ハートの海賊団のジョリーロジャーの上から3本に深い傷。
いつ傷を負ったのか不明だが
ショーの事なら一瞬で治るはずの傷が治療を始めてから数分たっても一向に容体が変化しない。
まるで一般人に戻ったかのようだ。

現に熱をだし自己再生を始めている分、能力としては機能しているはずだ。
だが血液検査の結果それを邪魔する物質がある。
チユチユの自己治癒力を破壊する毒性の強いものだった。
そしてその症状は・・・



「“砂漠のいちご”だな」



「さ、砂漠のいちごってあの?!
数日後突然死んでしまうという・・・」

シャチがショーの額の汗を拭きながら俺に叫んだ。


「砂漠のいちごは早々手に入らねえ代物だ。
だがやつらの胃液のみを抽出して毒として闇取引されていることもある。
おそらくこの肩の傷口から塗られたんだろう。」


「そ、それじゃあ・・・」




「嗚呼、解毒剤はまだ発見されてねえ」



そして砂漠のいちごの毒素を加工できる技術を持っているのはドフラミンゴの腹心、シーザークラウン。。
―――挙句首筋にはくっきりと赤黒いキスマーク。




ガンッ!!!

俺は苛立ちをぶつけるように近くのゴミ箱を蹴り上げた。



「ドフラミンゴの野郎・・・っ!」



クルーがしん、と静まりかえる。
俺は少し息を深く吐き、自身を落ち着かせようと帽子を脱いで髪を掻き上げた。

「・・・とにかく大量解熱剤をもってこい。
―――あとはショー次第だ」


「アイアイ!!」

俺は焦燥にかられる感情を眉間に皺を寄せて紛らわせようとした。







せっかく帰ってきたんだ、持ちこたえろよショー・・・・。
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