本章★ do or die..(長編)★

□the quarrel
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The quarrel

「う・・・」

急激な口内の乾きに頭が覚める。
「起きたか・・・」
重たい瞼を開いてぼやける視線を顰めると上からローが覗き込んでいた。

「み、みず・・・」

一言発するのもやっとの私にローは無言で水差しからコップに水を注いだ。
「大量の解熱剤を飲んだんだ。
無理もねえ。」

あれ、私なんで治療室いるんだろう。
そういえば急に意識が飛んでしまってそれから苦しくて死ぬかと思った。

ぼけっと何があったか思い出そうとしていると
ローが私の頭を軽くあげてコップを口に当てる。

「ぅ・・ぷぁ!」

喉が云うことを聞かずに口から水が零れてしまった。
嗚呼はしたない。。

何て恥ずかしく思っているとローが私の顎を引いて口を開かせた。

「っ・・・・?!」

触れたのは紛れもない唇で、

そこから水が流れ込んできた。

「―――って、うぉい!!」

驚きのあまりローを突き上げて思い切り起き上がる。
顰め面のローだったが、振り切った私を見て顎から滴り落ちた水滴を拭いながらククと笑いだす。

「・・・・何だ、元気じゃねえか」

私はむっとしてローからコップを奪い取り一気に飲み干した。

「体調はどうだ?」

「うん、すこし気だるいけど・・・大丈夫。
ってか私何で倒れたの?」

「・・・・毒だ。
背中の傷口に毒を塗られてた。」

そう聞いて私ははっとした。

「・・・・ドフラミンゴ・・・・?」

その名を私の口から発するとローは眉間に皺を寄せた。

「でも、何でドフラミンゴは私に毒を・・・?」

「“保険”だろう。
海軍との交渉が決裂してショーを手放さざる負えなくなった場合
殺すことでも考えてたんだろ」

ぞくっとした。
そうだ、数か月彼の下にいたがそういう奴なのだ。
ハートの海賊団に戻す気はねえと言ったが、海軍への引き渡しに関しては彼なりに警戒していたのだろう。

たがドフラミンゴはローが王下七武海に入ることは予測がつかなかったらしい。
―――そこだけが幸いよね。



「・・・・しかも毒は“砂漠のいちご”という猛毒中の猛毒だ。
普通の人間なら死んでたぞ」

「・・・・うん、あの
流石の私も死ぬかと思った・・・」

頭に手をやり苦笑いする私をローは眉間に皺を寄せたまま眺めていた。
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