本編 ★deAd ENd★(中編)
□chapter2
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「ハァッ・・・」
”ここで倒れたら、もう二度と帰れんかもしれん。
倒れるわけにはいかんのやっ・・・!!”
手に力を込めると、あたりの空気がピリッと変化をした。
初めて刀を抜いた彼女を息をのんで海兵たちが見つめていたが、彼女から発せられる凄まじい圧力で気が遠くなりその場に倒れる海兵たちが続出した。
「ホォホォ、覇気使いかねェェー?
厄介だねェー」
呼吸を整えて翔は弧を描いて刀身を真正面へ向けた。
「凍(い)てかませ、虎時蝋!!!!!」
翔の持っていた斬魄刀はその解号とともに形状を変化していく。
妖艶な湾曲を二重ほど織りなした、変わった形をしたものになった。
そしてその刀身からは、青白い炎が煌々と燃えている。
「んん〜?
何だぁい?
その刀は〜?」
「初めてみるんも無理はない。
これは私の愛刀、虎時蝋。
すべてを凍える炎にて骨すら一瞬に焼き絶えさせる力を持つ斬魄刀や。」
翔は余裕のない目をしながらニヤリと笑った。
”・・・っちくしょうが。
義骸やなきゃこんなこと苦でもないのに。
始解だけで、体が震える。
打てるのは一発か・・・”
翔は瞬歩で間合いを詰める。
だが大将の速さも異常だ。
光のような素早さで軽々と翔の攻撃をかわす。
「んん〜・・・・
面倒だねぇ〜〜
これはすぐに決着をつけるべきだねェ〜?」
男が指先に先ほどの攻撃とは比べ物にならない光を集めだした。
翔は身の危険を感じ、その場をすぐに後ずさりする。
おそらく、これで決着がつく。
虎時蝋を強く握りしめ直すと、それに答えるように青白い炎が逆巻き始めた。
「 八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)」
無数の光の球が翔を襲う。
「灼骨凍吠(しゃこつとうほう)!!!」
虎時蝋を天高く翳す。炎がより大きく巨大になり、轟音と共に青い虎が現れた。
翔がそのまま振り下ろすと、青炎の虎はパンチパーマの男目がけて駆け出した。
一撃必殺。
灼骨凍吠は霊骸でもすさまじい霊力を使う。
その疲労感は半端ない。
遠のく意識の中で穿界門がうっすらと視界に入った。
”嗚呼、やっと帰れる・・・・”
手を伸ばしたが目が霞む。
待って。
おいてかないで。
わたしを
おいてかないで。
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始解しました。
義骸での始解は疑問な所ですが、
喜助さんがおそらくそうなので
義骸の性能が上がったことにしといてください。
漢字難しす・・・。