本編 ★deAd ENd★(中編)

□chaper4
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「・・・・・・」
「・・・・・・」


耳鳴りのしそうな沈黙に絶えようと、翔は斬魄刀をすらりと抜刀した。
夕食を終えた後ローの部屋へ二人戻った。
ベットで寝ろといわれたものの、寝れるはずもなく、翔は机の横にあるソファーにもたれかかっていた。

何をするわけでもないので、正直暇であった。
月とランプの光を浴びて、刀身が自分の顔を映し出す。
そこには険しい顔をして刀を見つめる一人の女性がいた。
刀剣を傾けると、机に頬杖を付きながら本を読み進めるトラファルガー・ローが刀ごしに写る。


”いつ寝るんやコイツは”


すでに時間は深夜を回っていた。

彼が寝入ったのを見計らって心臓を探すつもりだったが寝る気配が一向にない。
むしろすでに翔の瞼は重く、何かをしていないと眠気が襲ってきた。

「・・・・ふぅ。」
ため息が静かに響いて少し恥ずかしくなった。
ローは食い入るように本を見つめたままだった。



”黙ってたらしゅっとしとるのにな。”
そう思った時にローがふいに顔を上げたので、翔はビクッとなった。
「あ」
その時ふわりと肩に地獄蝶が止まった。


『もぉーしもーし??”』
「はい、翔です。」
間延びした声に疑問に思いながら名前を告げると、えへへという声が聞こえてきた。
「・・・・・・乱菊副隊長???」
『あったりーーーー!!!』

”やばい。もうできあがっとる・・・”


酒がすでに入っているであろう乱菊に苦笑いしながらも、部屋で話すのはまずいと思いソファから立ち上がる。

が、ローに行く手を阻まれソファーに乱暴に戻された。
「ちょ・・・」
「乱菊か。」
『あぁ〜!その声は、ローくんっ??
げんきぃ〜〜??」

ケラケラと笑い出す乱菊の声。
翔は隣にどかっと座ったローを見つめた。
「え?
何でなん。いつのまに知り合いになっとるん?!」
「占い屋が寝てる間に喋った。」
「!!」


『あ、ローくんもそこにいるのね??』
ああ、とソファにもたれながら自然に翔の首に腕を回した。

「乱菊さんっ
コイツと喋ったんですか?」
『うん、だって翔ちゃん気を失ってたんでしょ?
穿界門が開いたのに全然帰って来ないんだもん。
心配して連絡したらローくんが出たわけ。』

「そ、そうだったんですか。」

チラリとローを見るが、ローは無表情のままだった。



『とにかく、ソッチにいる間はローくんが面倒見てくれるっていうから安心だけど、
しばらく開門に時間かかりそうだから。』
「・・・・は?
しばらくって?」
『次元が違いすぎて、空間を探知するのに時間かかるのよ・
はやくて数週間、遅くて数十年、いやもっとかもね。』
「いやいやいや!!!」
”次元が違うことはわかってる。
通信技術科の人たちもきっと開門のために空間の検地をしてはる。
かといって、最悪この先数十年この世界に住まんとあかんのか。
それは避けたいっっ”



「早く戻れる方法はないんですか?!」
『早くもどれる方法ねぇ〜・・・。
それが昨日の開門だったんだけど。
すでに閉じちゃったしね・・・』
翔はがっくり項垂れた。

「でも翔ちゃん瀕死状態だったんでしょ?
ローくんがフォローに入らなければ
今頃どうなってたのかわからないわよ』


思わずローを見つめる。
「助けたわけじゃねえ。
すでに黄猿も痛手を負っていた。
七武海としてこれ以上占い屋が海軍に手を出さないことを約束して、その場を収めた」


助けたわけじゃないと言いつつも、
今までの経緯を聞いているとそうでもないことを感じて翔はローのことを実はいい奴なのではないかと思い始めていた。


「黄猿ってあのパンチパーマのおっさんか?
・・・なんか助けてくれたんかようわからんが、ありがとう。」

”感謝を述べるんも少し腑に落ちない気がするんやけど”



『とにかく翔ちゃん
アンタ無茶しすぎるから、無理は絶対しちゃだめよ?
思ったら一直線なんだから。』
「は、はーい」
”すでに一騒動起こしてもたけど;”


んじゃまた連絡するわね〜と乱菊は通信を切った。





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乱菊好き。あんな女性になりたい。
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