本編 ★deAd ENd★(中編)

□chapter5
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島は春島。
少しまだ肌寒い気がする気候だったが、出歩くには丁度いい。

ペンギンの言うとおり、あまり治安のよい島ではなさそうだった。
島はコンコルド広場を中心に賑わっているように見えたが、路地に目をやると、薄暗い通りの中、怪しげな店や物乞いがちらほら見えた。



翔は探索がてら、買い出し班のペンギン、シャチ、ベポに着いてきていた。
「ある程度買い物は済んだかな。」
「ねえねえ、ここクリームパイが有名なんだって。そこ行こうよ。」
皆の荷物を抱えたベポは荷物係のご褒美にといわんばかりにぴょんぴょん跳ねた。
「ああ、別行動してた船長ともそこで落ち合おう。」
買い物を一通り終えた一向は、この島で人気のレストランに入った。


「ってかさ、」

椅子に座った途端、シャチが翔の体を指差す。
「俺らが過剰反応しすぎなのかと思ってたが、

お前の服装、どうなの?」


レストランに入るなり、いや既に島に入るなり、人に見られまくってる一団。
「いや、私の前にあんたらの白ツナギもどないかした方がいいと思う。」
「俺たちはいいんだよ。ハートの海賊団のプライドだ!」
胸をはるシャチ。

「翔の服装、俺好きだけどな。」
「ベポ、お前はくまだからわかんねえと思うけどな、ツナギより目立ちすぎだ。」
「・・・くまですみません。」

「うーん、そうか。。。
でも、これと死覇装しか持っとらんのよね。」

「「2着?!」」

驚くクルーたちに何か悪いのかと翔はむすっとした。

翔の服装はグレーのブレザー。

「調査先の高校の制服らしい。」

グランドラインでは風変わりな格好。
目に着くばかりか、腰には刀を差しているため余計に何者だという目線が浴びせられた。
白いツナギ集団の中にブレザーの少女と見間違えそうな死神。
人の好奇の視線がないわけがない。


文句ばっかだったシャチだが、ひざ上スカートで足を組んだ翔の太ももをチラリと見る。
「ま、生足はアリだぜ。」
「何の話や。」

『プルプルプル・・・プルプルプル』

「うわっ何やこのカタツムリ!!
きもちわるっ!」
「電伝虫だ。知らないのか。」
「知らんっ!
うわ、動いたっ!!ひー!!」

『おい、そこのじゃじゃ馬を黙らせろ』

気色の悪いカタツムリからローの声がした。
”地獄蝶みたいな通信手段か?
しかしもっと可愛らしいのにしたらええのに・・・”

単独行動していたローとこのレストランで合流するらしい。


「船長と合流したら、お前そのあと服買ってもらえ。」
「え、いらんよ。」
「俺たちが困るんだ。
この船にいる間は普通の格好してくれ・・・。」
「まあ、せやな。。乗せてくれてるわけやし。

ってか、心臓返してもらったら私すぐ出るからな!」
「あーはいはい。
せいぜい船長の機嫌損ねないようにな。」



「あ、私トイレ。」
「船長もう来るぞ。」
「食事取るやろ?
すぐ戻ってくるから。」

そう言って立ち上がり、トイレに向かう。
と、見せかけて翔は裏口から店を抜け出した。


”不穏な冷気が漂っとる。
これは、間違いない。
ホロウがおる・・・。”

チャ、と斬魄刀の鍔を鳴らした。









+++++++
空座高校の制服。破面あたりで調査隊として派遣予定だった死神設定です。




工業高校に女子が紛れ込んだ感じ。
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