小説

□独占
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ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響く。
「ん…んぅ…」
自分のものとは思えぬ声が恥ずかしくて、俺は自分の手で、口をおさえた。
しかし、その手はすぐに解かれる。目の前の男によって。
「エレン、声を聞かせろ」
うっすらと瞳をあければ、灰色の飢えた瞳が俺を見つめていた。
「んっ、へいちょ…」
兵長の温度を中に感じる。
手を伸ばして、その首に絡めた。
すると、兵長は俺の足を高く担ぐと、より深く俺を貫いた。
「あぁあああっ、へいちょうっ」
ある一点を突かれ、当たるたびに腰が跳ねる。
気持ち寄せすぎておかしくなりそうだ。
「やっ、そこ…変になるっ」
俺の瞳から涙がこぼれ落ちた。
逃げようとしても腰をしっかり抑えられて、不可能だった。
押し寄せる快楽に、なす術もなく追い詰められていく。
「はっ、初めてでも後ろで感じるなんざ、とんだエロガキだな」
耳元で囁かれカッと、顔が熱くなる。
恥ずかしい。
でも、腰が動いてしまうのを止められない。
「あっ、へいちょうっ。イッちゃう」
「イけ。しっかり受け止めろよ」
「ああぁあああっ」
俺は、白いものを吐き出し、兵長にぶちまける。
と同時に、俺の中に熱いものを感じて、目の前が真っ白になった。
そして、俺の意識はプツリと途切れた。


…………朝だった。
「おい、エレン。テメェいつまで寝ていやがる」
兵長から、足蹴にされて、俺は目を覚ました。
そこはいつもいる地下の自分の部屋で、シーツも汚れていなければ、俺の中に何か感じるものもない。
あれ?夢?
俺、兵長に抱かれる夢見たの?
「なにぼーっとしてやがる?」
見上げて兵長を見つめる。
しかし、行為を思い出して顔が熱くなる。
俺は顔を伏せた。
「な…なんでもありません」
「ほう…」
うわ…。
兵長の機嫌が急降下したのが空気でわかる。
「えっ、うわっ」
俺は気付くと兵長に押し倒されていた。
すぐ目の前に、兵長の整った顔が迫る。
「昨日のじゃ、足りねぇってんなら、また抱いてやろうか」
その言葉に、エレンは夢じゃなかったんだと、自覚する。
「い、いえ。大丈夫ですっ。起きます」
「遠慮するな。俺もまだ足りねぇ」
「遠慮じゃありません」
ジタバタと動いても、兵長はぴくりともしない。
それどころか、あれよあれよという間に服を脱がされ、いつの間にか手は上で兵長のスカーフに一つにまとめられている。
身体は俺のほうが大きいはずなのに。
さすが人類最強。さすが兵長。
「いっ…あっ…」
首筋に、チクリと痛みが走る。
そして、その場所を見下ろすと、そっと撫でて、満足そうな笑みを浮かべる。
「エレン、テメェは俺のもんた。今までも。そしてこれからもな」
そう言って微笑む兵長の顔がとても妖艶で、俺の息子はそれだけで勃ちはじめる。
うっ、束縛されて喜ぶ俺ってMなのかな。
兵長には敵わない。
逃げる気もない。
「…知ってます」
俺がそう答えると、兵長は俺にやさしく口付けてくれた。


おしまい。

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