ハボロイ
□歩みと繋いだ手
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私が殺した。
…いや、燃やした。
真っ黒に
空は一面、私の焔によって出された煙で覆われている。
誰もいない…
誰もいないんだ…
燃やしたから。
─歩みと繋いだ手─
私の所為で死ななくても良い命がなくなったんだ。
私の所為だっ!!
私の…!
イシュヴァールの事を思い出しながら、夜中の真っ暗闇を一人ゆらゆらと歩く。
発火布の手袋もはめていない。
中尉から外を一人で歩かないように言われている。
どうしても仕方のない場合は手袋をはめるように、と。
でも、そんな事どうでもよかった。
こんな私は、どうなったっていいのだから。
「お兄さんカッコイいねぇ…。俺と寝てみない?痛くしないからさっ!」
一人の男が声をかけて来た。
そして、そのままホテルへと手を引っ張られて行く。
抵抗はしない。
どうなったっていいから。