桜ノ散ル前ニ
□1*落ちた先はホグワーツ
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蔵へはいるとなぜかいつにもましてしめっぽかった。
『うえぇ…じめじめする
喚起しなきゃ!換気!』
私は蔵の窓を開けることにした。
と言っても小さな窓が壁の大分上に付いているため棚にあがらなければ届かないという距離だった。
『よいしょっと…
おっ!?うわっ!
やばっ…きゃあああーっ!?』
ガタッ!!ガッシャーンッ…
棚に上って窓の鍵に手をかけたときバランスを崩して派手に落ちてしまった。
『痛っ…
ん?なんだこれ?』
私の手元に何かが触れた。
『不思議な箱〜…
日本のものではないみたい』
紫に金で縁取られたその箱はどう観ても外国の代物だった。
『なんか書いてある…
アイウィルリード…』
────I will lead you to the different world.
『うーんと…
あなたを異世界に連れて行く〜みたいな?』
なんとなく興味があったので恐る恐る箱を開くと中にはアンティークのような鏡、白い棒、本、巻物が入っていた。
『これはチョーク?かな?』
白い棒を手に取るとうっすらと粉がついた。
私は本を読んでみることにした。
『んむぅ…全て筆記体の英語…』
が、読めなかった。
そして巻物を手に取った。
開いてみると日本語だったから読める。
『己の行きたい國への魔術…
まじか!!!
え、これって本の世界とかもあり??
ハリポタの世界とかあり!?』
これは絶好のチャンスだと思った。
ハリポタの世界に行けるかもしれない。
『とりあえず…
着替えと…ハリポタ全巻と…札と…魔具…!
急いで準備しなきゃ!!』
私は大急ぎで蔵から必要なものを集めた。
そして一旦家に行き着替え等必要なものを確認してまとめた。
『さて…魔術の仕方は…』
其の壱
結界を描く
(結界より魔法陣って感じね…)
其の弐
生きたい國のものを中心に置く
(ハリポタの本でいいのかな?
やっぱ置くべきなのは賢者の石だよね)
其の参
鏡を西方角へ置く
(西はこっちね…)
其の四
連れて行きたいものを持ち星の模様の上に立て
(うっ…重い…)
星の上に立ったとたん結界の線が光り始めた。
そして…
『…?
あれー?
…これ落ちてない?
落ちてるよね…
落ちてるうぅぅぅぅー!?』
私は光の中を逆さまに急降下していた。
『死ぬ!絶対死ぬ!
速いって!落ちるスピード!』
そんなことを叫んでいると急に光が強くなった。
『まぶしっ…』
私の体は強い光に包まれた。