記念小説

□野球しようぜ!
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ボンゴレボスに就任してからもう直ぐ一年、まさに死ぬほど大変な毎日を送っている。

休み?そんなもの無い。
あるのは毎日届けられる始末書やらの大量の書類。
風呂とかトイレとか、そういう事以外はずっと執務室に缶詰め状態だ。

今日も今日とて書類とにらめっこ。
未だに慣れない英語やイタリア語に苦戦しながらも、ひとつひとつ、地味に書類に目を通してサインをしていく。




野球しようぜ!






(疲れたー…)


やっと半分終わった頃、執務室にノックが響いた。
あの恐ろしい元専属家庭教師に教われた通りに、懐に手を忍ばせ、銃のトリガーに手をふれる。
ボンゴレの屋敷は警備は厳重だ。
しかし、もしもの事を考えて、と教え込まれた。


「あーはい、どうぞ、」


自然に、いつものように返事をすれば、ドアがガチャリと開いて、俺の良く知る青年が入ってきた。


「おーツナ!久しぶり!」


「や、山本!?」


黒いスーツを着た中学生時代からの親友の山本は、爽やかな笑顔で書類を片手にやってきた。


「…どうしてココに、今シーズンの真っ最中じゃないか。」


「ん?あーまーな、俺ってば大活躍♪」


「そうじゃなくて…」


ビックリだ。
まさか山本がこのイタリアまで来るとは思ってもみなかった。
山本にはマフィアとしての仕事よりも、野球選手としての仕事をなによりも優先させている。
マフィアなんかの為に、山本の夢を壊させたくないからだ。
本当はマフィアになんてならなくて良いと言ったが、山本はそれでも俺についてきてくれた。
それが凄く嬉しくて、そして罪悪感に捕らわれたのを今でも覚えてる。

しかしおかしい。
今はシーズン。山本も忙しいはず。
なのに何で書類片手にイタリア本部にご登場?


「あーこれか?これは坊主に頼まれた分のだ。」


「リボーンに!?」


「まあ時間が開いたときにやってたから時間はかかったな。」


「う…ごめんな、山本。」


リボーンめ、他の部下に頼めば良いものを、なんでこう多忙な山本に頼むかな…っ。

(リボーンの奴、後で覚えてろ…!)


「しっかし、よく抜けられて来れたね。ここまでそうとう時間かかるのに。」


「あーそこら辺は大丈夫だぜ、ツナ。監督俺の仕事知ってるし。」


「…は?え?」


ちょっと待て、今なんつった!?
仕事を知ってる?



 
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