短編
□聞いて下さい雲雀さん!
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俺だってたまには愚痴ぐらい吐きたいんだ…!
聞いて下さい雲雀さん!
大空は蒼く澄み渡り、所々雲が漂う天気の良い昼下がり、
ここは並盛中学応接室。
風紀委員長の雲雀恭弥は日課のデスクワーク。
そこへバタバタと向かう足音が聞こえ、雲雀は口を緩ました。
「雲雀さんこんにちは!」
昼休みを使い、応接室へとやってきたのは並盛中学二年の通称ダメツナと言われている沢田綱吉だ。
ノックも無しに入ってこれるのはこの学校でもただ一人、雲雀恭弥の恋人のこの沢田綱吉だけだろう。
「いらっしゃい、綱吉。」
「聞いて下さい!雲雀さん!」
「…は?」
何来て早々。
と、流石の雲雀も少し驚いて、とりあえず綱吉をソファへ座らし、淡々と紅茶の準備をする。
「で、どうしたの?」
淹れたてのアールグレイと砂糖を綱吉の前へ置いて、隣に座った雲雀。
「あ、ありがとうございます。」
綱吉は用意された角砂糖を三粒紅茶へ入れてグルグルかき混ぜながら話始めた。
「俺、もう耐えられません…。」
「何が、」
「今ウチに5人の居候がいるんですけど、その中のチビ達が最近本当にうるさくて…っ。」
「ワォ群れすぎ。」
「あ、すいません。でもわざと群れてるわけじゃないんですよ。
向こうが勝手に寄って来るって言うか、その、俺ってチビ達の良い遊び道具になってるような気がするんですよ。最近特に。」
「ふぅん」
「それにリボーンです。一番辛いのはリボーンです!
あいつ手加減とか一切無しで、修行中とかもう地獄で、俺マフィアに何てならないって言ってるのに、修行修行修行修行。
何か家出したくなりますよ、全く。」
「ねぇ、綱吉。」
「はい?」
振り返り見上げると雲雀さんの顔が近くにあって…
ーちゅ
「――っ!?―――っ!!!!//」
言葉が出なくて口をパクパクさせてると、
「君の愚痴聞いてあげたんだから、今度は僕の願いを聞いてもらおうか。」
なんて…。
悪戯な笑顔を向けてまたキスしてくれば、俺をそのままソファへ倒した。