短編
□ウサギとネコ
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ウサギとネコ
澄み渡る青空、白い雲。
今日も太陽は輝き、とてもぽかぽかした昼下がり。
広い広ーい広野に、黒ネコがいました。
名前は雲雀恭弥。
群れる事を嫌う一匹狼なボスネコさん。
気まぐれな黒ネコさんは、今日も日課の散歩中。
そしてお気に入りの木を見つけ、木陰の下でこれまた日課なお昼寝タイム。
近くの花の香りに誘われて、スヤスヤと眠りについた黒ネコ雲雀さん。
しかし、それもつかの間。
ガサガサッ
―ピクッ
なんだか辺りが騒がしくなり神経を尖らせて辺りを探ると、
(一匹誰かいるな…。)
普段黒ネコ雲雀さんのテリトリー内でもあるこの広野には、誰も寄り付こうとしません。
雲雀さんの存在を知っている者ならば…。
しかし時折何も知らない不幸な動物が迷い込んでは、咬み殺されていくという不運な運命をたどっていくのです。
(今日もまた、誰かが入り込んできた…。)
雲雀さんはゆっくりと立ち上がり、標的のいる場所へ向いはじめました。