短編

□Secret time
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「は、ぁ…っ、んん…っ」


骸とのキスは好きだ。優しく甘く、俺を満たしてくれるから。

綱吉はシーツを握り締めていた手を骸の頭に回し、サラリと綺麗な骸の髪に触れた。指先で撫でたり指に絡めたり、そうしていると骸が唇を離して、触れるか触れないかギリギリの所で見つめながら「随分と余裕ですね」と囁いた。

余裕なんて無い事ぐらい、知ってるくせに。


「……っあ、ゃ、はぁっ」


つぷりと侵入してくる指の感覚にぶるりと躰を震わす。
この感覚だけはいつになっても慣れない。普通は排泄器官として使われている場所なだけに無理ないのだろう。
ぬるりと滑りを感じるのはきっと自分の精液なのだろう、幾度となく躰を合わせていると自分がどんな状況なのかがうっすらと分かってくる。
綱吉はそんな自分が恥ずかしくなって、目を堅く閉じた。


「目、開けて下さいよ」

「…無理っ、」


くつりと喉が鳴る音が聞こえる。笑うな、と返せば変わりに顔中にキスが降ってきた。

骸は情事中名前を呼ばない。それは照れ隠しなのか検討も付かないが、それでも愛を貰っていることは分かる。
証拠に、普段じゃ有り得ないくらいにこの行為の時は優しい。まるで壊れ物を扱うかのように。

そうしてる間にずるりと指が引き抜かれる。
骸を見れば、どこか余裕が無くなってきてる表情だった。
カチャリとベルトが外す音が聞こえた。そんな音すら艶めかしくて、躰が一気に熱くなる。
「いきますよ」と耳元で囁かれて、あてがわれたものが中に侵入してきた。


「んあッ、ふ、…んうぅ…っ」


熱い。卑猥な水音を立てて入ってくる彼のものは硬く熱かった。

指とは全く違う形や大きさに息を詰める。
腰を抱く骸の腕の力が籠もり、綱吉の負担にならないぐらいに体重をかけて奥へと挿入していく。


「…アァ…、ッ…ふ…あ、ッ」


最後まで入ると骸は小さく吐息を吐いた。
綱吉は最奥部で生々しく主張し形どるものに、ほろりと涙を浮かべる。

繋がっている、最愛の彼と繋がっているこの時が如何に愛しいものなのか、骸は知っていてくれているだろうか。自分と同じように、求めて、感じてくれているだろうか。

ゆっくりと動き始め、快楽に身を任せた綱吉は骸の唇に口付けをした。



 
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