記念小説
□シュガー×シュガー
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雲雀の問いにふにゃりと顔を綻ばせれば、角砂糖を飲み込んでゴクンと喉が鳴る。
「甘いもの…ねぇ…」
「特に好きなのが苺のショートケーキですね。あの生クリーム…たまらんですっ。…あ、そうだ。雲雀さん今度一緒に食べましょうよっ」
また一つ、角砂糖を手に取る綱吉。
しかし雲雀はその手を取り、綱吉の持っている角砂糖を自らの口に運んだ。
「あ」
綱吉の手を離し、甘ったるい角砂糖を舌で転がしながら綱吉を見ると、その瞳は見開いたまま雲雀に向けられていて、不思議に思った刹那、絶叫。
「あ゙―――――!!!!!最後の一個が…っ!!!」
いきなり飛びかかってくる綱吉に、雲雀は少し驚きはしたものの、好都合だと内心呟きそのまま綱吉を腕の中へ収める。
「悪かったよ」
「最後の一個を食べた罪は重いです…!第一甘いの嫌いじゃ無いんですか!?」
「別に、これくらいなら食べれる」
その言葉に綱吉は唇を噛み締めて雲雀を睨む。
雲雀は綱吉のうっすらと紅く染まった頬に手を添えて、唇に小さくキスをした。
「ひ、ひば…っ」
驚愕した顔で雲雀を見上げれば、そのまま二度目、三度目とキスをされた。
「綱吉、口、開けて」
火照った顔で、そのまま唇を少しだけ開けると今度は深い口付けに変わる。
「んぅ…っ、あま…、」
砂糖のせいか、この雰囲気のせいか、脳髄を犯すこの甘ったるい痺れに綱吉は目を眩ます。
そんな綱吉を雲雀はソファに押し倒し、耳元で囁いた。
「こういう甘いものなら、僕も大好物だ」
シュガー×シュガー
あまくあまく、溶けてしまおうか
―end―
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