短編
□呪いのリングに誓いの口づけを
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まるで、それは呪いのように…
俺の心を締め付ける
呪いのリングに誓いの口づけを
リング戦も無事終わり、正式に次期ボンゴレとその守護者が決まった。
それは、まるで逃れられないと言っているようで、
みんなを巻き込んだ罪悪感で、心が締め付けられた。
これで、良かったのだろうか…とか、
無意識に思っては、溜め息。
自分ではどうにも出来ない事。
マフィアになんかなりたくないと、あれほど言い張ってきた俺が、
マフィアの次期ボスだ。
そんな事を考えていたら気分が悪くなって、俺は逃げるように外に出た。
今の雰囲気にはついていけなくて。
家庭教師の顔も直視出来ない。
はぁ、と息を吐き出した。
見上げれば、大きな月。
凄く綺麗で
凄く残酷だった。
何も知らない月。
関係無く夜空を照らして、まるで俺を嘲笑うように綺麗だった。
凄く泣きたくなって、俺はその場から走りだした。
行き先なんて考えてない。
ただ、がむしゃらに走った。
弱い自分を隠したくて…。