短編
□どっちがいい?
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「今死ぬのと後で死ぬの、どっちが良い?」
「はい?」
どっちが良い?
今日も今日とて変わらず平和(?)な並盛中。
その応接室で、この並盛の秩序であり最強の不良、並中風紀委員長雲雀恭弥は恋人の沢田綱吉にサラリと言った。
「え…それってどっちも死じゃないですか…。」
いきなり何言って…と、綱吉は顔を真っ青にして雲雀をみた。
一方雲雀は、昼下がりのティータイムを満喫しながら更に続ける。
「あ、ちょっと間違えた。今僕に食べられて悶死するか、後で僕に咬み殺されるの、どっちが良い?」
(ちょっとどころじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!)
綱吉は今の言葉を聞いて盛大に紅茶を吹いた。
「ちょっと、何してんのさ。」
「す、すいませ…って違う違う!!」
零した紅茶を拭きながら雲雀に噛みつくように言う。
「な、なな、何ですかその選択!しかも前者の悶死って何なんですか!悶死って!!聞いた事ありませんよそんな事!!」
「だから、僕にヤられて昇天するか、じゃない。言っとくけど、僕離さないよ。」
勿論性的な意味で。
と付け足さんばかりにしれっとスゴい事を言う雲雀に、綱吉は顔を一気に赤くした。
「ワォ真っ赤。」
まるで茹で蛸みたいだ、と雲雀は綱吉の隣に移動してマジマジと見る。
「ぅえっ!?ちょ、見ないでくださいよ!」
止めて下さい!と綱吉は雲雀の瞳を自分の手で隠す。
「ちょっと何すんのさ。せっかく見てたのに。」
とクスリと笑いながら糸も簡単に綱吉の手をどける。
「ひ、雲雀さんこそ何なんですか!そんな悶死って、セッ…セッ」
「セックス?」
「うわあああああ!!ちょっと言わないで下さいよ本当に!思春期舐めてるんですか貴方は!!」
今にでも火が噴きそうな程顔を真っ赤にして雲雀から逃れようとする綱吉。
しかし、雲雀はそれを許さず腕を掴んで逃がさない。
「思春期だからこその行動でしょ?恋人に欲情して何が悪い。」
「――――っ!!」
しかし綱吉は健全なる中学生。
しかもそういう事に対しての抗体もなく、遂に涙をポロポロと流し初めてしまった。
雲雀はそんな綱吉に溜め息をついた。