短編

□You're precious man
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今日は、ボスになってから迎える二度目の誕生日。


仕事しかしてないけれど。







You're precious man








――イタリアンマフィアの朝は早い。
といってもマフィアのボスは日本人。
しかも20代前半とまだまだ若い好青年。
しかしその生活は缶詰め状態。
今日も約四時間の睡眠を終え、起床して身支度を整え、いつも通り執務室へ。
しかし扉を開ければ、机の上には書類以外にラッピングされた四角い箱やら手紙が大量に置いてあった。


「これは、何?」


マフィアボンゴレボス、沢田綱吉は、机の上の、どうやらプレゼントのような箱を一つ手に取った。


「…バースデーカード?」


リボンの間に挟まれたバースデーカード。
英語でHAPPY BIRTHDAY!とかかれたカードには、イタリア語で差出人の名前が書いてあった。
そこで綱吉自身も思い出す。
今日は22歳の誕生日だと言うことを。








「――十代目、また届きました!」


「ご苦労様ー。」


朝から次々と届くプレゼント。
綱吉の右腕の獄寺は、持ちきれないからと台車を使ってプレゼントや手紙の山を運んでいる。
今や執務室だけではなく、綱吉の自室もプレゼントで溢れているだろう。
プレゼントだけでエッフェル塔が出来上がるな、と綱吉は書類に目を通しながら思った。
後から聞けば、朝からファックスの音が鳴り止まなかったらしい。
いやはや、ボンゴレって凄いな、とボスである綱吉は溜め息を一つ落とした。


「ツナー誕生日おめでとさん!」


「ボンゴレ、ボヴィーノから葡萄とワインを。」


執務室をひとつノックして、山本、そしてランボが入ってきた。
ランボはともかく、山本は久々に会うのでちょっと吃驚した。


「極限めでたいな!!!」


「ツナさんおめでとうございます!」


「ツッ君おめでとう!」


その後に了平、ハル、京子と守護者や懐かしい面々が会いに来て、綱吉は流石に驚き仕事の手を止めた。


「みんなっ!久しぶりだね!」


守護者とは定期的に会うから長くても2、3ヵ月ぶりだが、ハルや京子とはもう一年は会っていない。
綱吉は久しぶりの再開に顔を綻ばした。

それから仕事もまだあるの為、小さくはあるが誕生日会を開くことになった。



 
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