君のいる世界で
□第六話
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ーーーーーーーまた、夢を見た。
昨日とおんなじ、夢。
知らない、街並み。
たぶん、絶対、リヴァイさんの世界の。
これが、巨人。
リヴァイさん、こんなのと戦ってるんだ...。
あ、食べられる。と思ったときにまた、目が覚めた。
そのときになんだか嫌な予感がした。
***
「また、この夢か...。」
どうして2日も同じ夢を見るんだろう。
不思議に思いながら隣で寝ているはずの人に声をかけた。
「リヴァイさん、おはよーございます。
...リヴァイさん?」
隣で寝ているはずのリヴァイさんはそこにはいなかった。
慌ててその他の部屋も探したが、どこにもいなかった。
パニックになっている頭でも十分理解できた。
彼はもとの世界に帰ってしまったんだと。
それは良いことのハズなのに、全然喜べなかった。
そこでやっと気づいた。
「あたし...リヴァイさんのこと、好きになってたんだ...」
たった一日で。
だけど、こんなに会いたいと思う人なんて今までいなかった。
いっしょにいてあんなに楽しいって、思える人なんて一人もいなかったの。
「会いたいよ...リヴァイさん...」
あたしの小さな呟きは、誰にも届かなかった。