書庫(夢以外置き場)
□苺の神様
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「え〜っと・・じゃあ、依頼内容はリバウンドしないように何とかしろとか、そうゆうコト?」
「・・はい・・・」
「ハイ、分かりました。とりあえず部屋に『我慢』って張り紙でもしておいて下さいネ」
「ぎ、銀さんっそれじゃ帰れって言ってるようなモンじゃないですかっ!」
「あーもォーめんどくせェな!帰れ帰れ!くだんねー事に付き合ってるヒマねぇのよ、俺はっ!」
「・・出来ないんです」
「あ?」
「我慢出来ないんですっ!食べちゃダメって思えば思うほどっイチゴパフェにイチゴアイス、イチゴクレープにショートケーキッ!!」
「!」
「もう秋になって、栗やカボチャも出始めてっ!モンブランにパンプキンパイ!クッキーにタルトッ!!!
我慢出来ないんですよォォォッ!!季節はもう、食欲の秋なんですゥゥゥッ!!!」
突然大声で叫び出した女に、新八は迫力負けしていた。
床で眠っていた万事屋の愛犬、定春も起き上がり、びっくりした様子でこちらを見ている。
涙を流しつつ訴える女に、1人、この男だけは真剣な面持ちで聞いていた。
その男は女の肩に手を置き、まっすぐな目でこう言った。
「分かるぜ!!その気持ち・・!!」
そう、糖分大好き、イチゴ大好きなこの男。
先程まで全く無関心だった、坂田銀時である。