書庫(夢以外置き場)
□からくりの恋
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「最近、何か悩んでいるようだったので」
「すみません。お気付きでしたか・・・」
「貴方は私の一部、何かあれば必ず気付きます」
「たま様・・・」
「何かあった事は分かります。ですが、原因は分かりません」
「・・・・・」
「何があったのですか」
たまの質問に言葉が詰まる。
自分の事で、主であるたまの気を煩わせたくない。
それに、とても言葉に表せる事ではないのだ。
だが、真っ直ぐに見つめてくるたまに、今更何でもないとも言えない。
自分の異変を隠し通す事は出来ない。
彼女が言うように、自分も彼女の一部なのだから。
重い口を、ゆっくりと開く。