書庫(夢以外置き場)

□からくりの恋
4ページ/11ページ



「たま様。たま様、俺は・・・」

「はい」

「俺は・・・たま様の事を想うと、胸が苦しくなります」


白血球王の言葉に、たまは目を見張った。
いくら人間らしくなったと言っても、元はからくりである自分の一部。
ただのプログラムである彼が、誰かの事を想って胸が苦しくなるだなんて・・・

彼が、少しだけ不安そうな顔をする。


「俺は、やはりバグってしまったのでしょうか」


そんな彼の瞳を見つめながら思う。



――― 違う。


バグではない。
貴方のその気持ち、その感情。


たまは白血球王の手に触れ、そっと両手で包む。
白血球王の頬が、少しだけ朱く染まる。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ