書庫(夢以外置き場)
□からくりの恋
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「たま様。たま様、俺は・・・」
「はい」
「俺は・・・たま様の事を想うと、胸が苦しくなります」
白血球王の言葉に、たまは目を見張った。
いくら人間らしくなったと言っても、元はからくりである自分の一部。
ただのプログラムである彼が、誰かの事を想って胸が苦しくなるだなんて・・・
彼が、少しだけ不安そうな顔をする。
「俺は、やはりバグってしまったのでしょうか」
そんな彼の瞳を見つめながら思う。
――― 違う。
バグではない。
貴方のその気持ち、その感情。
たまは白血球王の手に触れ、そっと両手で包む。
白血球王の頬が、少しだけ朱く染まる。