The world of the basket 2nd season

□第47試合
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翌朝、私が目を覚ますと、色んな人に体を掴まれていてちょっとしたホラーだった。
そんなに心配しなくても、居なくならないよ、多分。


皆を起こさないように部屋に戻って準備をすると、調理室に向かった。
今日からは練習も再開だ。
昨日のお酒が残って、練習に身が入らないとかじゃぁ…ミカさん、許しませんから♪


お米を研いで、ご飯をセット。
10合炊きが5台。毎日フル稼働しているのである。
お疲れ様、炊飯器ちゃん。


そうしていると、誰かが入ってくる音がしたので、ドアの方を見てみた。


『誠凛の…水戸部さん?』


ニコっと笑って頷く水戸部さん。

水戸部さんは無口な仕事人と呼ばれるほど本当に無口で誠凛のメンバーですら話すのを聞いたことがないらしい。


その水戸部さんが何をしに来たかというと、どうやら手伝いに来てくれたらしく、エプロンを片手に持っていた。


『手伝ってくれるんですか?』


『いや、でも悪いし…ありがとうございます。
あっ、じゃぁ私今日はしじみの味噌汁にしようと思ってたんでお願いしてもいいですか?』


水戸部さんは頭をコクコクと縦に動かしたり、フルフルと横に振ったりするだけだけど、よく話が成立したよな、私。


かがみんに負けないくらい料理上手な水戸部さんは手際よく料理を手伝ってくれて、思いのほか早く朝ごはんは作り終った。


せっかくなので、予定より早く車を返しに行くことにした。
水戸部さんに事情を説明し、大部屋で雑魚寝している虹村さんを起こしに行った。


『虹村さん、虹村さんっ…レインボーっっ!!』


虹村「ぬあっ…いてっ…ミカ…寝かせてくれよ〜。虹村さん、まだねむてぇんだよぉ。」


相変わらずのアヒル口で文句を言う虹村さん。


『チューするぞ、こんにゃろう!』


虹村「やめて、俺、公開プレイの癖ないからっ!!」


こうしてやっと起きた虹村さんにビールの空き缶を持たせ、コソコソと車に乗り込んだ。


車を貸してくれたおじさんの家へ向かうとおじさんは寝ていて、おばさんが相手してくれた。
虹村さんはさっきの眠たそうな顔はどこへという感じで愛想よくおばさんと話をすると、私たちは虹村さんの家に戻った。


『虹村さん今日暇なんですか?』


虹村「おぉっ!」


『じゃぁ、一緒に買い物しません?食料とか少し買い足しておきたいんで…敦のお菓子とか。」


虹村「あいつのお菓子好きも変わってねぇからなぁ。」



こうして、虹村さんの着替えが終わったあと、バッシュを持って、買い物に向かった。
その頃、合宿所はちょっとした騒動になっていたらしく…


黄瀬「ミカっちが居ないっス〜!!」


朝っぱらから涼太の叫び声で皆目を覚ますことになった。


あちこち探した挙句、調理室にいた水戸部さんを小金井さんが見つけ、事情を聴いたらしい。
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