その他書架

□空を駆ける
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 ヒワマキシティの名物、ツリーハウスにおける朝は、とても爽やかなものである───。
 季節がいいのだろう。突き上げ窓から入る風は、朝露に濡れた若葉の香り。初夏へ向かう陽射しが、室内を暖かく照らし、木の壁には梢のシルエットが映り込む。
 鳥ポケモンの声もにぎやかだ。この家の主の末娘であり、ダイゴの腐れ縁の友人でもある、セナのポケモンたちだ。
 まだ頭はぼんやりとしている。ベッドから起き上がって、シャツを着替えながら聞いている分では、その種類は数知れず。
 オハヨーと喋るペラップ。
 羽ばたきながら歌うピジョット。
 澄んだ声でさえずるチルタリス。
 時報のように正確な間隔を置くのはネイティオ。
 ───それを掻き消すがごとく、
「おっはよーっ!」
 こんな叫び声が、謎の金属管から聞こえてこなければ、眼醒めはとても爽やかだったのに。
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