長編(立海)

□虚しく散った努力
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コートの周りにいたひとだかりも

徐々に減っていって

今日の部活も終わろうとしていた

今日もみんなすごくよく頑張ったと思う

一人一人にタオルとドリンクを渡して

お疲れ様でした、と声をかける





さて、部員もみんな片づけを終えて

帰り支度してるみたいね

最後にコートを確認して私も部室へ行きましょう

一番最後にコートを出て

部室へと歩き出す



あ、そうだ今日はなまえと一緒に

帰る約束してたんだった

そう思い出して早足で部室へ向かう

部室につくともうすでに

レギュラー陣は制服に着替えた状態で

それぞれ座って一休みしていた



私は部誌を書き終え

帰り支度をしていた

鍵は真田副部長が管理しているため

マネージャーの私は

いつも早めに帰してもらっている

なんだか、申し訳ないが嬉しい心遣いに

甘えきることにしている







「あ!!そうだそうだ!親友なまえ〜!」



赤也だ。なんだ人が帰るというときに




「なによ?」





私の手首の腕時計は午後5時20分をさしている

全く、早くして頂戴と言わんばかりに

赤也をみる







「お前、女子剣道部で個人戦優勝した奴と知り合いか!?」








キラッキラした笑顔で聞かれると

答えなきゃマズイ気がして






「ん、まぁ・・そうね」







そう渋々答えると

赤也はそりゃあもう興奮しきって





「俺そいつのこと一回でいいから見てみたい!」




何組なんだ?




とか聞かれるけど、一緒のクラスなんて



答えたくない・・。(笑)








「なんでそんなにこだわるのよ?」







って一応聞いてみた







「だってよ!だってよ!

剣道で優勝だぜ!?どんな筋肉つけたら

そんなに強くなんのか、気になるじゃんよ!」









部長さんは普通の女子って感じだったけど

個人で優勝って一味違うんじゃねーの!?








とか、色々妄想もいいとこね

赤也は今のところ本当に興味と好奇心で

見てみたいとか言ってるんだろうけど



「一回」じゃ済まないわよきっと







呆れたようにヘロっとなる私をよそに

赤也と丸井先輩とジャッカル先輩は

盛り上がって話をどんどん膨らましていた








「腕の筋肉とか、真田副部長並みに

あったらどうします!??」







「それは、女子じゃねぇだろぃ!」







「ああ、でもそういう奴もみてみたいけどな」













こいつら・・・本物みたら

どんな顔するのかしらね








今までは隠してきたなまえだけど

もうなんだかバレるのも時間の問題だし

よく考えてみたら隠してきたってのも

結局は私のくだらないエゴなんだから





もう、いいかしらね・・・








まぁ何があっても私のなまえだし

私が守ってみせるけどね







私は完全に諦めモードで

3人に言った











「今から、なまえと一緒に帰る約束してるんだけど






・・・一目見てく?」













この一言がとんでもない事態になるなんて

私は考えても・・・いや

考えてはいたけど、予想以上・・だったのよね











はあ・・・ごめんね、なまえ・・(笑)


















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次のページからは、赤也視点です

まだまだ続きますよー!
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