長編(立海)

□鬼ごっこ
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ってことで




ミヤ子の思い付きの提案で


部活の最後の1時間は鬼ごっこになった

ま、たまにはこういうこともしないと

マンネリ化して楽しくないものね






これで全員そろったかしら?




人数が多いとはいえ


数えられる程度だ


私は一人二人と数え

全員いることを確認したとこで

説明を始める







「鬼は私とミヤ子でやるわ。

この敷地の中で尚且つ外なら

どこに逃げてもいいわ。

でも隠れるのは禁止ね、さすがに広くて

みつけてあげられないと可哀想だから」




「あとあとー!私に捕まったラッキーな人はー!

部活オフの来週の日曜日私とデートだよーーん!!」





私の言葉にみんな元気に返事をしてくれた後

ミヤ子の言葉に全員の顔が青くなった




ま、そうでしょうね




ミヤ子はとても楽しい人だし

遊んでいても退屈はしない

だからむしろ遊びたい人の

部類には入るかもしれない



だけどね、ミヤ子からの誘いで

遊んだあとの疲労感と言ったら・・



思い出しただけでゾッとするわ



ミヤ子の「遊ぶ」は

中学生の「遊ぶ」じゃないもの

デートとか言ってるけど

まさか街中で鬼ごっこしようとか

かくれんぼしようとか言い出すんじゃないの



完全なる野生児のこいつに

「ちょっと食事しに出かけましょう」

って考えはまるでないのよ



例えば


「でっかい木みつけたから一緒に登ろう」


「すごく長い滑り台のある公園があるから行こう」


「あの長い長い階段で、グリコしようよ」



とか、ね・・・・

ちなみに今のは今まで私が遭った恐ろしい体験よ




これはほんの一部でしかないけどね

恐ろしいわよ、こいつの発想は

誘いを受けた私もどうかしてたけどね







まあ、そんなこと予想できてる部員たちは

顔を真っ青にして

絶対捕まりたくないって表情をしてる



そりゃそうよね、私だって嫌だもの(笑)









「じゃ、そろそろ始めるわね」



「よーーーし!30秒数えたら出発するかんねー!」




ひぃっ


と声を漏らした子もいた


どうかみんなミヤ子には捕まらないで・・・







「よし、行くわね。・・・スタート!」










バタバタバタ








鬼の私たち以外の全員が


一気に、それはもう見事に散った





この子たちこんなに足が速かったのね










頑張って逃げてね、みんな







ミヤ子、結構本気だから・・・・・











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