magi short

□ルフの伝言
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あの人から離れ、母国に帰ることにしました。
勿論父上に会うために。

今ひとり船に乗って、カモメたちや過ぎ行く島々、波の流れ。

横目で追い越して、青空を見上げる。


あの人はもう気づく頃かしら。
バスルームに伝言を残しておいたの。
女遊びや酒に溺れる癖をはやく治さない限り、シンドリアには帰りません。

ふふっと苦笑いするけども、やはり不安な気持ちはあります。

私のこと、忘れませんか?
不安な気持ちはシンドリアに置けず、シンドリアはあっという間に過ぎて...


これはやっぱり、ジャーファルさんに喝を一層強くいれてもらうしかないですね!



きっと今、あの人は慌ててるでしょう。
バスルームに伝言があるから。
手当り次第私を探すかもしれません。
そうですね、まずはジャーファルさんに聞くかしら。
次にマスルールさん、ヒナホホさん、ドラコーンさん。
私の行く先を知ってるのはあの人以外のみなさん。

だって、あの人に母国に帰りますっていったら、引き止めるに違いありません。

淋しい気持ちを隠したまま、私は皆さんに別れを告げました。
さああと数日、このつまらない海上で、どれだけ私の気持ちを跳ねらせてくれるのでしょうか!


シンドバッドさん。


なんだか早速、ジャーファルさんに問い詰めてるような気がしました。



*ルージュの伝言/松任谷(荒谷)由実

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