magi short

□さよならばいばい
1ページ/1ページ



これは謀反!
一体どなたが?


「張、張邦淮(ほうわい)・・・!どこです・・・ごほっ、は・・・」


名前は先天性の持病をもっており、体調は常にすこぶる悪い。
呼吸を荒らげながらも、壁を伝いながら死体ばかりの廊下を歩く。

しかし・・・深く寝ていた間に、何故です・・・?

そして名前は見てはいけないものを見てしまった。
張邦淮、彼女の部下が無惨な姿で殺されていた。


「・・・!ちょ、う・・・!」


彼は武術に長けていた。
だから名前は目をつけ、部下に指名した。

それでも、殺されていた。
金属器使いでなければ、あれほどの男と、これだけの惨殺はできないであろう。


「ああ、張邦淮、あなたは煌に命を捧げた素晴らしい武士よ。戦ってくれてありがとう、御冥福を・・・」

咳き込むと血混じりの痰がでてきた。
最近また容態が悪いのに、無理のしすぎだろうか。


「ああ、名前殿、起きていらしたのですか」


「練、白龍・・・」


魔装。
間違いないわ。白龍が・・・!


「なぜっ・・・がはっ、ごほ!」


咳のしすぎで顔が熱ててきた。


「名前殿、これは謀反でも戦争でもありません。俺なりの復讐です」
「貴方の部下を巻き込んでしまったのは・・・まあ、どうしようもありませんが」

「白龍!」

「・・・その顔、少し前の俺の顔です」


復讐にとらわれた、運命を恨む顔。
それは心もだった。

これだけの惨殺をした理由は?


「一体何故なの!」


駄目、もうこの火計と持病の稀な重さで死んでしまいそう。

「無理してはいけませんよ名前殿、俺はもうあの魔女の元へ行かなくてはならない」

「私にあの世へ行く手土産として・・・!」

「まさか、死を覚悟しているのですか!」


白龍は嘲笑した。
自尊心など今はどうでもいい。死ぬ。私は確実に死ぬ。
病死でも、あるいはどう発言し足掻いても白龍に殺される。
死ぬなら、せめて教えて欲しい。


「私が本当に聞きたいのは・・・」

「魔女のことですか」


弱く首を横に振る。
もう事切れる。


「わたし、は・・・白りゅ、あなたのことが好きだっ・・・わ」

「!」


白龍がぼんやりと見えて、この苦しさが逆に弱まっていく。
ついに息絶える時が近い。

そんな時彼が火の中で見せた顔と、わずかに聞こえた言葉が


「俺も好きでした、だから死のう」



私は病死ではない。



殺された。



それがアル・サーメンの魔女を倒す一段階に必要な死だったのならば許します。

またさらに、

そこに愛があったのならば、許します。






**

本当に意味がわからないモノができました。
許してください。
2期でいよいよ紅明さんが動きます。
嬉しいです。
この短編に関しては許してください

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ