Web拍手掲載物。

□虎を飼い慣らす方法。
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Scene2

「おい、ゾロ、おれの美人さん♪」
「誰が、コックのだって?」
嬉しそうな笑みを浮かべ、愛しい恋人の頭を撫でながら呼び掛けるも、冷たい返事。
こういう言い方をする時は、大抵、ろくでもない内容な事が多いので、不機嫌な声で返してしまう。
「何だよ、怒んなよ。まぁ、そやって、不機嫌な顔しても、美人さんは可愛いけどな♪」
「……////」
夜更けのキッチンで晩酌をしているのは、料理人と三本刀使い。
「なっ、何だっ、コック、ケンカ売ってんのかっ?!」
「あら、そう来るか……。もう、ゾロ、可愛いなぁっ♪」
そう言いながら、三本刀使いを抱き寄せる料理人。
今晩の酒と肴に日本酒の熱燗と豚平焼きと焼きナスを用意してくれている。
本当に料理人の料理は美味しい、絶対に手を抜かないし。
料理人との晩酌も楽しい。
但し、料理人が妙な事を言わなければ。
「なぁ、美人さん、耳貸して?」
三本刀使いが返事するよりも早く、三本刀使いのピアス側の耳を引き寄せ、何やら、囁く。
「なっ、コック、いっ、嫌だっ!!」
「え〜っ、良いだろが。1回だけ、な?ここへ見に来て下さってる、レディ達にも聞こえる声で、な?」
料理人は意地悪な笑みを浮かべて言う料理人。
「……???ここに見に来て下さってるレディ達って、何だっ?!」
「ああ、まぁ、深く、考えんな、な?ほら、今、おれが教えた通り、言ってみな?ちゃんと言えたら、御褒美やっから♪」
余裕の笑みを浮かべて、尚も、料理人は言う。



「……くっ。1回だけだぞっ!!ふっ、風呂上がりに、かっ、彼氏のシャツを、はっ、羽織って……、イッ、イチャイチャ、し、たぃ……」



顔を紅くしながら、三本刀使いは漸く絞り出す様に言葉を紡いだ、最後のほうは、小さな声になってしまったが。
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