Web拍手掲載物。

□虎を飼い慣らす方法。
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「えっ、マジで?分かったよ、んなエロ可愛いおねだりされたら、用意してやろうじゃないの、おれのシャツ♪」
満足そうな笑みを浮かべながら、三本刀使いの頭を撫でる料理人。
「なっ、てめっ、コックっ!!てめぇが言えっつったから、言ったんだろがっ!!おれは、おねだり、なんか……」
「何か言った?ほら、御褒美♪」
と言うと、三本刀使いの後頭部を引き寄せ、唇を合わせる。
これ以上の抗議の声を奪う為に。
三本刀使いの唇を舌で堪能し、舌を侵入させ、絡み取る。
すると、三本刀使いの腕は、愛しい人の首の後ろへ回される。
しばらく、三本刀使いの口腔内を楽しんだ後、唇を放す。
お互いの唾液で銀糸が出来、艶めかしくて、三本刀使いは、更に顔が紅くなり、料理人から視線を反らせようとしたのに。
料理人は三本刀使いの頬を両手で包み込んでしまった。
「なぁ、ゾロ、美人さん。おれさ、夢だったんだよ。すっげぇ大切で付き合う人が出来たら、絶対ぇに、風呂上がりにおれのシャツ着て貰って、イチャイチャすんの。それに、よ、美人さんの足、足首に傷が付いてんのが、勿体無ぇくらいに綺麗だから、シャツの裾から見える足……(遠い瞳)」
そこまで言われたら、拒む訳にも行かず。
「わっ、分かったからっ!!1回だけだぞっ!!」
半分ヤケクソ気味に約束してしまった。
「やった♪ありがとう、美人さん、ゾロ♪」
そんな嬉しそうな笑みを見せられたら、断れる訳ねぇだろがっ!!と内心、思いつつ、どうにも、おれは、コックに弱ぇな、と思う。
──惚れた弱味ってヤツか、これが。
そんな風に思い、自嘲気味な笑みが浮かんで来る。
──ま、悪かねぇ、か。
そう思いながら、料理人と杯を交わしていた。



数日後。
料理人愛用の裾が長めな黄色のシャツを渡され、
「約束したよな?」
と、にやりと笑いながら言われ、
「約束したからなっ!!」
と、ヤケクソ気味に答える三本刀使いだった。



To be another of scene...
2013/11/29
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