季節物。

□パンプキンプティング。後日譚
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ハロウィンから数日後のサニー号のキッチン。
サンジは、麦わらの一味加入以来の最大のピンチ、いや、ある意味、幸運(?)、に見回れていた。
サンジの前には、麦わらの一味の美女二人、ナミとロビンが、特にナミが、不適な笑みを浮かべ、立ちはだかっていた。



「えっと……、ナミさん、ロビンちゃん、これは、どういう……、事でしょうか?
 もしや、お二人がいっぺんに、僕に恋を〜っ♪」
瞳をハートにしながら、サンジは聞いていた。
「頭沸いてんじゃないっ、サンジ君。」
「怖いわね、ナミ」
怒り顔で返すナミの姿に、クスクス笑いで、ロビンはツッコミを入れる。
「ロビンっ、もし、サンジ君が変な事したり、嘘吐いたりしたら、御願いっ」
「楽しそうね」
「流石、話が速くて、助かるわ」
そう、ナミは、ロビンを締め上げ要員として、連れて来たのである。
サンジの目の前で、サンジに構わず、そんなやり取りを、笑みを交えて交わす、ナミとロビン。
「と・こ・ろ・でぇ、サンジ君?」
意地悪な笑みを浮かべつつ、ナミはサンジを呼ぶ。
「はいは〜い、んナミさぁ〜んっ♪」
サンジの身に付いた悲しい性が疑う事なく、瞳をハートにしたまま、ナミに返事している。
「可愛かったでしょう、ゾロ」
「……はっ?」
「可愛かったでしょう、ゾロ」
「……はぁっ?!」
同じ質問に同じ言葉。
「正直に答えなさいよ、気付いていないとでも、思った?
 サンジ君、あなた、すっごく、だだ漏れなのよ、気付かないほうが不思議なくらい、ね」
「ええぇ〜〜〜〜〜っ!!」
そんなナミとサンジのやり取りを、爽やかな笑みで見つめるロビン。
「でね、ハロウィンだし、せっかくだから、着飾ってあげたのよ、ねぇ〜、ロビン」
「ええ」
「衣装代締めて、10万ベリー、よろしく〜っ♪
 安心して、私とロビンが気付いている事に、ゾロは気付いてないわ。
 そうね、秘密厳守代金を上乗せして、15万ベリーで手を打つわ♪」
瞳をベリーにさせながら、ナミは一気にまくし立てた。
サンジは持参金から15万ベリーを支払う。
「またの御利用をお待ちしてます♪」
そう言い残して、ナミはロビンと共に、キッチンを後にした。



一人取り残されたサンジは、固まっていた。
──ですよね。
 気付いていなきゃ、あんな……。


赤ずきんでバニーなゾロを思い出してしまう。


「うわぁ〜っ!!」



未だかつて無い程のサンジの叫び声がしたとかしないとか。



「そんな鋭いナミさんとロビンちゃんも、大好きだぁ〜っ♪♪♪」



The end.
2013/11/05
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