季節物。

□月下美人は、誘う。
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微睡みから目覚め、「暖けぇ……」と呟き、自らの身体を確かめる。
腕枕されもう片方の腕で抱え込まれ、何も纏っていないのに、寝付く前まで愛し合っていた愛しい人の熱が、暖めてくれているのだ。
と、そこまで考えて、身体中が熱くなるのを感じ、「何考えてんだ、おれっ」と思いつつ、その愛しい人の腕の中で身を捩り、顔を見やる。
「……綺麗な顔してんなぁ……」
起こさない様に小さな声で囁く様に呟く。
「コック、こいつは、両目が見えねェ様にしちゃいるが、両方の眉毛が出てても、格好良いのに、な……」
眉毛を指先でなぞりながら呟いて、「あっ、あほか、おれはっ、何、言ってんだっ」と声を潜めてはいるが、恥ずかしくなる。
そのまま、鼻筋をなぞり、唇に指を添える。
「コック、コイツ、キス、上手いんだよ、なぁ……」
軽く唇を重ねた後、手は顎のラインをなぞり、喉仏をなぞる。
「起きねェな……」
囁く様に呟いて、手を鎖骨から胸へと動かせていく。
右胸の突起を探り当て弾いてみる。
「へぇ、コックのも立つんだな」
そう呟いて、口に含んでみる。
「起きねェ……」
安心しきって寝息を立てる愛しい人の胸から腹へと、手を動かし、陰茎を探り当てる。
手を添えて、確かめる様に、愛しい人の陰茎を触り続ける。
「おい、ゾロ、おれの美人さん。何、してんだ?」
「起きたか?」
「起きたか?、じゃねェってのっ!!んなトコ、弄られて、起きねェ男なんざ、いねェって!!してェのか?」
「……////、あっ、目ェ覚めて、暖けェって……。コックが抱いててくれたからだって……」
「あん?!当たり前だろ?」
「起きねェから、コックの身体って、どうなってんのかって……」
「今更かよっ?!何度、してると思ってんだ?てか、何時までも、美人さんは可愛い事、言ってくれんだな。愛してるぜ?」
そう言って、サンジはゾロを抱き締める。
「……おれも」
「起きたら、とびきりのチョコを食わしてやっから、楽しみにしてろ」
「ああ」
お互いの身体を絡ませながら、二人は夢を見る為に、瞳を閉じた。



The end.
2014/02/14
 

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