短篇。

□あのメガネのこと。
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──ん〜っ、なぁ〜んか、違和感、あんだよ、な……、何だ?
あぁ、そっか!!

「おいっ、コック、メガネの色、違くね?

深夜のキッチン。
レシピ整理していたサンジの向かい側で、晩酌よろしくしていたゾロは聞いていた。

「あぁん?
 よく気付いたな、天然ゾロにしちゃ、上出来だ。
 そんだけ、愛しいおれを見てるって、ことか?
 まぁ、仕方無ぇか、おれは、格好良いからな♪」

レシピノートに滑らせていたペンを止め、向かい側に座るゾロを見ながら、微笑みを浮かべつつ、答えるサンジ。

「んなっ、違ぇよ、アホコックっ!!
 この間、掛けてたのと、なんつうか……」
そう答えながら、思案顔になるゾロ。

「そうか、そうか、そうか、そうかぁ〜っ、ゾロ、てめぇ、そんなに、おれの事、好きかぁ〜っ。」
そう答え、顎を掴み、口付けしようと顔を近付けるサンジ。

「ちょっ、待てよっ、コックっ!
 話を聞けって。」
「やだ、待たない。
 んな可愛い事、言われたら、我慢できなくなるだろがっ」
もう一度、口付けようと、試みるが、
「コック、聞けって、頼むからっ」
と、どうにも、口付けをさせるまいと、顔を背ける。

──頬染めやがって……、どんだけ、おれを誘惑してるのか、分かってんのかっ?!後で覚えてろよっ!!
内心、そう思いつつ、
「分かったよ、ゾロ、話せよ」
と、顎を掴んでいた手を離し、聞く体勢を取る。

Z「なんか、歩いてるとこ、撮られたろ、前に。」
S「んん〜っ、あぁ、あぁ、メガネとコラボとか言ってた、あれな。」
Z「そう、それ。
 撮った後、好きなメガネを選べって。
 言われたろ?」
S「あぁ、言われたな、御礼代わりに、2本選んでいいって」
Z「確か……、あん時、コック、てめぇは、てめぇの色を選んでた筈だ。
 違ったか?」

──なるほど。
 趣旨は分かった。
 ははぁ〜ん、ゾロのやつ、可愛過ぎ。

S「選んだよ、選んだともさ。
 でも、同じの2本にしても、つまんねぇし、どうせなら、違う色がいいと、思ってな」
Z「そうか。
 で、何で、その色なんだ?」

──うわぁ、何だ、その心底からの
不思議そうな純粋(ピュア)な顔はぁ〜。
 こいつは、小悪魔か?!
 おれの口から、聞きたいんだな?!
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